ポーランド大使が初来帯、ウクライナ支援への思い語る 帯商が招へい
帯広商工会議所(川田章博会頭)は2日、駐日ポーランド共和国特命全権大使のパヴェウ・ミレフスキ氏を招いた講演会を帯広市内の北海道ホテルで開いた。ミレフスキ氏は、ロシアによる軍事侵攻で深刻化するウクライナ難民に対する支援の必要性を力説し、継続的に義援金集めを展開した帯商などに感謝の言葉を贈った。同氏は大使就任から4年、北海道への訪問は3回目となるが、来勝は初めて。
ポーランドはウクライナからの難民を数多く受け入れている。帯商では義援金を2022年に約1100万円、23年は約470万円集め、在ポーランド日本商工会経由でポーランド赤十字社、在日ポーランド商工会議所に送付。川田会頭は都度、同大使館を訪れ、同氏に報告していた。
今回の訪問は、こうした支援に対し、同氏が「直接、十勝の関係者に感謝を伝えたい」と要望し実現。経済・行政関係者ら約80人が集まった。
ミレフスキ氏は、第1次世界大戦前までの120年余り、分割占領され、独立後の第2次大戦時には激しい戦場となり、戦後共産主義圏に組み込まれるなどした自国の困難な歴史に触れ、「ウクライナから国境を抜けた人は約1700万人に上るとされる。侵略される苦しみを分かっているから、助けずにはいられない」と力説した。
また、帯商が侵攻開始から2カ月で1度目の義援金を届けてくれたことなどに感謝の言葉を述べ、「車窓から見た帯広は、ポーランドの風景と非常に似ている。今後、ポーランドから観光客が帯広に多くやってくることを確信している」とも話した。
川田会頭と、ポーランドの大学などと学術交流協定を結ぶ帯広畜産大の長澤秀行学長があいさつした。(佐藤いづみ)