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藤丸再開は早くて1年後 官民ファンドも検討 新旧経営者

帯商経営開発委員会に出席した(右から)米田、村松、藤本の3氏(15日)

 来年1月末で閉店する地場百貨店・藤丸(藤本長章社長)の再建を担う新会社(仮称・新藤丸)社長に就任予定の村松一樹氏(60)=村松ホールディングス社長=とCSO(最高戦略責任者)の米田健史氏(36)=そら社長=、藤本社長(69)が15日、帯広商工会議所の経営開発委員会(河合敏委員長)にそろって出席し、村松氏と米田氏はその後、記者会見に臨んだ。新藤丸の営業再開が早ければ1年後になることや、官民ファンド・地域経済活性化支援機構(レビック)の支援を受けた再生案を検討していることなどが示された。

 同委員会は帯広経済センタービルで開かれ、委員11人が出席。3人は藤丸問題に取り組む同委員会のゲストとして参加した。

 新会社の設立は年内から年明けになる見通し。村松氏は新藤丸について、耐震改修工事は来年度からを予定、営業再開は来年冬あたりを目指すとした。「ただ、リーシング(商業用不動産の賃貸支援業務)などが相当スムーズにいった場合であり、そこから3カ月、1年ずれることもあり得る」ともした。テナント構成などは「これから進めていくが、十勝の価値である食をテーマとした部分は設けたい」と強調した。

 一方、レビックは、金融機関などと連携し、有用な経営資源があるにもかかわらず過大な債務を負う中小企業者らの事業再生支援などを行うファンド。過去、スーパーのオーケー(大分)や島原鉄道(長崎)、沖縄三越などの再建でも使われた。

 再生案が認められ、支援が受けられれば、金融機関が債権を放棄しやすくなるとされ、レビックから融資や出資を受けることも可能。藤丸再生に関しても以前から選択肢の一つとして事前相談などを行っていたとされる。

 藤本社長は「地権者などからおおむね合意や協力を取り付けることができ、(私的整理への)方向性が見えてきた。公的機関であるレビックの主導をいただき、再生に向けたスキームを進めている」などと報告。ただ、米田氏は「あくまでも選択肢の一つ。相手がいることでもあり、決まったものでない」とした。

 現藤丸について、藤本社長は、閉店セールが一時中だるみで苦戦したが、12月上旬以降少しずつ盛り返してきたことや、解雇する従業員の再就職内定率が低いことなどを上げ、地域のさらなる応援を訴えた。新会社へは「まちの灯を消さないという大義で122年間営業してきた。思いも引き継いでくれるはず」と感謝の言葉を贈った。

 席上、委員からは「経済界だけでなく、行政、地域住民の三位一体の応援がなければ、再生は動かない」「支援方法を具体的に示してほしい」などの意見が出た。(佐藤いづみ、完戸雅美)

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