大雪にもテレワーク発動で事業継続、コロナ契機に広がる
大雪で出社できないビジネスマンが続出した12日、十勝管内ではテレワークやリモート会議を取り入れ、効果的に事業継続を進めた企業がある。新型コロナウイルス感染拡大を契機にテレワークなどを導入した経験が生かされた形だ。
第一生命帯広支社(瀧山広一郎支社長)は12日、管轄する釧路や北見を含め、管内の営業スタッフや管理者など所属する約350人のうち、約8割をテレワーク勤務とした。市内自社ビル内の二つの営業オフィスでも管理者数人が出社しただけだった。
福田宜朋副支社長は「多くが車通勤。予報を見て11日に各部門の責任者に対し、スタッフのテレワーク勤務の推奨を通達し、必要機器を持ち帰った」と説明。オンラインで出退勤管理をしており、顧客への提案書準備やビデオ研修などにいそしむ人が多いとする。
同社ではコロナ禍でも事業継続できるよう、全国の拠点でテレワークへの環境整備を加速。同支社でも2020年夏から全従業員分のノートパソコンやタブレットをそろえた。既存顧客との営業もオンラインで行える。瀧山支社長は「緊急事態宣言中で訪問営業がままならない中、活用を重ねた。年配のスタッフも慣れ、今回もスムーズに発動できた」と話していた。
萩原建設工業(帯広市)では除雪事情などで1割ほどが出社できなかった。リモートワーク推進で一昨年夏、全社員にタブレット端末を1台ずつ支給し、この日予定していた幹部らによる会議もリモートで対応した。澤井育雄専務は「テレワークは企業のBCP(事業継続)に欠かせない」と話していた。(佐藤いづみ)