全市町村で「福祉灯油」 低所得者ら支援 3年ぶり
灯油価格の高止まりを受け、十勝管内では19市町村全てがこの冬、低所得世帯などの灯油購入を支援するいわゆる「福祉灯油」を実施する。全市町村が実施するのは2018年度以来。
現金や商品券、引換券も
18年度は、各自治体が福祉灯油を実施するか最終判断する11~12月の灯油価格(道東、配達、石油製品価格調査)が104円を超えていた。今冬は当時をさらに10円以上上回り、20日時点で115・9円。
管内市町村の支給額は帯広市の5000円から、池田、豊頃両町の200リットル(約2万3000円相当)まで幅がある。中札内村は11月上旬には1万5000円分の助成を予定していたが、その後のさらなる高騰を受けて、村の制度では上限の2万円まで引き上げた。
支給方法は現金振り込みや自治体内で使用できる商品券、灯油引換券などさまざま。暖房の熱源を問わずに現金を支給したり、灯油を使用しない世帯にも同等額の商品券を支給したりする町村がある一方、新得町は「あくまで灯油価格高騰に対する支援」とし、灯油を使用する対象世帯に限定。
帯広市は支給方法を前回の灯油引換券から現金に変更したが、新得と同様、あくまで灯油高騰に対する制度との位置付けで、灯油を購入した証明を支給要件とする。支給方法変更の理由を市は「前回、一部の灯油販売事業者の協力を得られず、その事業者を利用している対象者に不公平感が生じたため」とする。
助成を受けるには申請が必要だが、前回の申請率は帯広市で76・9%、芽室町で60%などとなっている。人口規模が大きい自治体はそれぞれの生活実態の把握が難しく、対象となる可能性のある世帯を広く抽出しているため。芽室町は今年度、対象世帯の把握の精度を高めて個別通知したという。(丹羽恭太)