鮮烈なデスマッチの世界描く 帯広出身レスラー映画に
帯広出身のプロレスラーで狂猿(クレイジーモンキー)の異名を持つ葛西純さん(46)=プロレスリングFREEDOM所属=の「デスマッチ」での闘いと復活を描くドキュメンタリー映画「狂猿(きょうえん)」が28日、東京を皮切りに順次全国で上映される。プロデューサーの佐藤優子さん(留萌市出身)は「プロレスやデスマッチなど見たことがないという方も、見終わった後にはみんな葛西選手が好きになっていると思います」と語る。(大木祐介)
葛西さんは帯広西小、帯広第二中、清水高校出身。1998年にレスラーとしてデビュー。プロレスの試合形式の一つで「凶器あり、反則なし」と、一握りの者しか足を踏み入れないとされる「デスマッチ」の世界では「カリスマ」と称されている。
長年闘い続けてきた葛西さんだが、2019年のクリスマスの試合をもって長期欠場を余儀なくされる。映画では、復帰に向けてトレーニングを続ける葛西さんの姿と、デスマッチとともに歩んできた過去、また子煩悩としても知られる本人のプライベートを追った内容となっている。
葛西さんのライバル的存在である伊東竜二選手(大日本プロレス)をはじめ、多数のプロレスラーも登場し、葛西さんの生きざまについて証言していく。監督は音楽番組やミュージックビデオの演出などを経て、劇場公開作品を多数手掛ける俊英の川口潤さんが務める。
佐藤プロデューサーは、デスマッチの魅力について「一言で言うならば説得力。傷を負ってなお“魅せる”という世界で輝く選手たちはプロ中のプロと言える」と力説する。葛西さんについては「とても自然で、かつそれでいて実に魅力的なエンターテイナー」と印象を語り、「川口監督は映画でその自然でいながらも圧倒的なカリスマ性を実によく形にしてくれた」と映画の仕上がりについて話す。
映画は帯広では、8月にシネマ太陽でも上映される予定。
なおPG-12指定(小学生以下の鑑賞には保護者の助言・指導が必要)となっている。