患者団体 コロナ禍交流中止も 会報誌でつなぐ オンライン開催に光明も
新型コロナウイルスが多くの人の生活に影響をもたらし、難病患者も不安な日々を過ごしている。患者同士は交流会などを通して互いに支え合い、病気と向き合っている。新型コロナの感染拡大で、全道集会やバザーが中止となる中、事務局が年2回発行する会報誌が会員間の気持ちをつないでいる。
「直接会えず苦しかった」
「会員と直接会うことができず、苦しい、さみしい。そんな1年だった」。北海道難病連十勝支部の山根隆支部長は、言葉少なに昨年度を振り返った。
会報誌は「HSK なんれん とかち」。A4判、毎号10ページ前後から成り、支部の行事や近況などを掲載している。編集作業に携わるのは、富田勝江事務局長と山根支部長の2人。事務局のある市民活動プラザ六中(帯広市東11南9)で掲載内容を話し合い、発行日の約1カ月半前から、各部会へ寄稿を依頼、ファクスで文章をやりとりし、一冊に仕上げている。
同支部は1978年に発足。現在は筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの病気を抱える管内の約800人が所属している。道本部の調査によると、新型コロナの感染拡大後から会員の約4割が通院控えしており、これまで以上に暮らしに不安を抱えている人も少なくない。「通院やリハビリを控えると、一層病気が進行してしまう。会員には通院は欠かさないようにと声掛けしている」と山根支部長は話す。
感染予防の情報も掲載
会報は会員のニーズに合わせようと、第74号(昨年6月発行)では新型コロナの情報も掲載。予防策としてアルコールの使用やせっけん手洗いなどを促し、「長期化するので、疲弊しない程度に」などと呼び掛けた。一方で、道支部主催のオンラインリハビリ講座が開かれるなど、遠方にいながらも交流できるよう、オンライン開催なども活発に動きだしている。
山根支部長は「コロナ禍になったからオンラインで交流できることも分かり、プラスの面もあった。早くみんなに会ったり、一緒にリハビリをしたりできるような日が来てほしい」と願っている。(沖田唯可)