「十勝産落花生」販路拡大 ダイイチや満寿屋商店
芽室を中心に産地化の取り組みが進む十勝産落花生の販路が、広がっている。産学官金連携の「十勝グランナッツプロジェクト」に参加する生産者が独自に販路を開拓、ダイイチ(帯広市)が落花生の取扱店舗を増やしたほか、満寿屋商店(同)も菓子パンの原料に採用し一部店舗で販売する。
販促を展開しているのは芽室町上伏古地区の農家9戸で組織する十勝めむろ落花生グループ(藤井信二代表)。帯広畜産大や帯広信金などとプロジェクトを推進、昨年はLLP(生産者有限責任事業組合)を立ち上げ、LLPとは別に設立された合同会社(LLC)と連携し、レトルトのゆで落花生を商品化した。
十勝の全店に
ダイイチは1月から壱号店を除く十勝全店と、札幌・旭川地区の複数の店舗で十勝・芽室産の殻付き落花生(1袋498円)の取り扱いを開始。藤井さんらが昨年2店舗で行った1日限定の販売イベントが好評で、取扱店舗の拡大に踏み切った。
2月1日にも芽室、白樺、自衛隊前の3店で店頭販売イベントを開き、藤井さんら生産者グループが参加する予定。中村浩昌果物担当バイヤーは「地場産に対する消費者の関心は高い。商品がある限り、販売を続けたい」と語る。
外国産から移行
満寿屋商店は今春にも、ボヌール店(西17南3)限定で、定番商品のピーナツ付きクリームパン(140円)のトッピング用落花生を初めて十勝・芽室産に切り替える。20日には藤井さんを招き、試作品を披露した。杉山雅則社長は「外国産に比べて豆の香りが引き立つ。十勝で落花生の大規模栽培に取り組む心意気を応援したい」としている。
芽室産落花生の販売先はこれまで、コープさっぽろなどに限られていた。藤井さんは「販路拡大で十勝グランナッツの知名度アップにつなげたい」と話している。(佐藤いづみ)