篠崎智美さんが新規就農 町内第1号 音更
【音更】帯広出身の元会社員篠崎智美さん(34)が新規就農者として、4月から町内で野菜生産に取り組んでいる。新規農業者の移住・定住を促進し、担い手を育成する町農業再生協議会(会長・傳法伸也町経済部長)の事業で就農したのは篠崎さんが初めて。「皆さんに喜んでもらえるおいしい野菜を作りたい」と意欲を新たにしている。
篠崎さんは芽室高校を卒業後、東京の服飾関係の会社に勤務。祖父が旭川市の稲作農家だったことから、幼少時から農業に関心を持っていた。2015年秋に札幌市で開かれた新規就農相談会「農業人フェア」に参加し、音更での就農を決めた。
16年8月からJA木野の特産物センター(町下士幌)で、基礎研修を開始。ビニールハウスでトマトやホウレンソウ、ブロッコリーなどの生産に取り組んだ。営農に必要な栽培技術や農業簿記なども学び、18年8月に、研修を終えた。
JA木野の協力もあり、4月から野菜農家北嶋勝三さん所有(町下士幌北2線東26)の畑やビニールハウス4棟計1200平方メートルを借りて営農を始めた。
トマトやピーマン、ホウレンソウ、食用ホオズキ、ブロッコリー、カリフラワー、オクラ、ムラサキキャベツ、ズッキーニなど多様な野菜生産に取り組む。
今月には早くも農産物直売所「きのっ子ファーマーズ」(ハピオガーデン内)にラディッシュやミニダイコン、ベビーリーフなどを初出荷。「生産者として自分の名前が書かれているのを見て感激した」と笑顔を見せる。
篠崎さんは「木野地区の農家の皆さんが気に掛けてくれて、畑の耕運などで支援していただいた。ありがたいし感謝したい。今後は野菜の加工品の開発にも挑戦したい」と夢を膨らませている。
13日には町役場で激励会が行われ、小野信次町長、清都善章JA木野組合長、齊藤潔十勝農業改良普及センター十勝北部支所長が「地域に根を下ろし、音更の農業の担い手に」などと期待を寄せた。(鈴木裕之)