十勝の生乳生産、過去最高を更新 18年度
ホクレンが集計する2018年度の十勝管内の生乳生産量は、前年度比3・2%増の118万4632トンとなり、8年連続で過去最高を更新した。天候不順による飼料の品質低下や大規模停電(ブラックアウト)の影響が心配されたが、飼養頭数増加などにより、生産量を伸ばした。
道内の3割弱、生産をけん引
牛乳や乳製品の原料となる生乳は、道内では大半をホクレンが集荷し、乳業メーカーに販売する。管内別の生乳生産量は十勝が道内トップで、全体の3割弱を占める。
18年度は経営規模拡大と、17年産飼料のできが良かったことで4~8月に前年同月比4~5%の増加が続いた。前年度の生産量が伸びなかったこともあり高い伸び率になった。
9月は胆振東部地震に伴うブラックアウトが発生し、乳業メーカーの工場が稼働を停止。生乳の受け入れがストップし、前年同月比1・3%のマイナスとなった。
停電で搾乳できず牛の体調が悪化、天候不順で飼料用作物の品質も低下し、18年産飼料に切り替わった秋以降への影響が懸念されたが、10月は前年を3・4%上回る生産量を記録。4~8月より伸びは小さいが、今年3月まで2~3%の増加率で推移した。
ホクレン帯広支所は「規模拡大による頭数増加に加え、牛自体の能力も上がり、1頭当たりの生産量も伸びている」とみる。
ホクレンの道内12支所で比較すると、前年実績より伸ばしたのは帯広、北見、札幌で、帯広の伸びが最も大きかった。
管内の規模拡大意欲は依然として強く、今年の牧草の品質にもよるが、生産量は今後も伸びると見込まれている。(伊藤亮太)