昨年度入館1万3858人 忠類ナウマン象記念館 10年で最多
【幕別】町営の忠類ナウマン象記念館(町忠類白銀町)の昨年度入館者数が1万3858人とこの10年で最多となった。町教委はナウマン公園に大型遊具が整備されて親子連れらの来訪が増えたことや昨年9月の企画展が大きな要因とみている。今年度は開館から30年を迎え、さらなる来館者増を目指す。
忠類地区では1969年に世界的にも珍しいナウマンゾウの全身骨格化石を発掘。旧忠類村が発見を記念し、同館を88年8月にオープンした。ナウマンゾウの復元骨格のレプリカが主展示室に配置され、貴重な研究資料や当時の映像なども鑑賞できる。
入館者数はオープンした88年度に5万2840人と最多を記録し、その後は年々減少。2012年度に9666人と初めて1万人を割った以降は徐々に持ち直し、昨年度の入館者数は06年度の1万4361人以来となる高い数字となった。
近隣のナウマン公園は一昨年秋から昨年夏にかけて、長さ40メートルのローラー滑り台や大型の親水滑り台など遊具5基を整備。遊びに訪れる家族連れなどが大幅に増加し、同館への来場にもつながった。
昨年9月1日~10月1日には企画展「ナウマンゾウとマンモス」を開催。北海道博物館(札幌)が所蔵している約50年前の忠類ナウマンゾウの実物化石が“里帰り”し、好評を博した。昨年9月の入館者数は1092人と前年同期の656人を大きく上回った。
30周年の今年度は再び北海道博物館の協力を得て、9月に化石に関する企画展を開催し、貝化石の発掘体験会も開く予定。さらに来年度はナウマンゾウ発掘から半世紀を迎えるため、特別なイベントも検討している。
町教委教育部は「大勢の方に来場してもらえるのはうれしい。節目が続くので、改めて忠類でナウマンゾウが発掘されたことに関心を持ってほしい」と話している。(松村智裕)