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災害に負けず頑張る 清水ドライブイン営業中

牛玉ステーキ丼と牛とろ丼を手に、「災害に負けず頑張りたい」と語る野崎社長

 【清水】台風災害で日勝峠の通行止めが続く中、同峠1合目付近にある清水ドライブイン(野崎勝敏社長)は営業を続けている。災害後は2週間弱の休業を余儀なくされ、再開後も清水側から国道で行けることがあまり知られておらず、一般客は昨年の10分の1程度に激減。回復しつつある団体客や来店者の励ましを受け、野崎社長(62)は「災害に負けず頑張りたい」と力を込める。

 同ドライブインは1985年から現在地で営業。レストランや土産店、展望台を備え、“十勝の西玄関口”を掲げている。近年はご当地グルメの牛玉ステーキ丼や牛とろ丼が人気。道東道・十勝清水インターチェンジから車で約5分の立地で、多くの観光バスが立ち寄る。

 台風10号の大雨で8月30日昼すぎに営業を中止。その後は国道274号日勝峠が通行止めとなり、営業再開は国道に並行する迂回路を確保できた9月11日。13日からは観光バスに限って国道利用が可能となり、24日にはすべての車両が国道経由でドライブインに行けるようになった。ドライブインから日高側は通行できない。

 ただ、台風による経営への影響は大きい。8月31日~9月13日に食事を予定していた団体客1670人がキャンセルし、約240万円の損失が出た。9月8日までは電気や電話回線が使えず、農産物などの通信販売でも同期間に約300万円の損失があった。

 観光シーズンの7~10月は例年日勝峠の利用者が増え、昨年9月の大型連休にレストランを利用した一般客(団体客除く)は1日平均約300人に。ところが、今年は10分の1の同30人程度にとどまった。

 それでも、来店者の励ましが支えになっている。営業再開の11日に訪れた客は地域住民ら11人と少なかったが、「大変だったね」「応援のため買い物するよ」と激励された。旅行会社は新たなツアー訪問先にもドライブインを組み入れ、災害前と変わらない数の観光バスが訪れている。

 ホームページ(HP)などで営業情報を伝え、8日からの3連休はHP閲覧者向けに特典を用意するなど情報発信に力を入れる。野崎社長は「被害があったのは一部地域で、無事な場所は多い。多くの人が十勝を訪れてもらえるよう、玄関口として頑張りたい」と語る。(池谷智仁)

関連写真

  • 日勝峠1合目にある清水ドライブイン

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