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健康面で支えに 保健師らが戸別家庭訪問 新得

倉科さん宅を訪問し、健康状態などを聞く黒澤さん(右)

 【新得】台風10号による大雨で大きな被害を受けた町内で、町民の健康面をケアするため町保健師らの戸別家庭訪問が続いている。施設に入所し自宅にいない人などを除く町内全世帯が対象。「川の音が怖い」「よく眠れない」など台風の記憶が残り、今も苦しむ住民も多いとされる中、精神面でも大きな支えになっている。

 「ご飯はしっかり食べられていますか」「災害後に何か変わったことはないですか」。16日午後、町保健師の黒澤結花さん(23)が訪れたのは、床下浸水などの被害に遭った市街地の倉科洋さん(81)、弘子さん(75)夫妻宅。黒澤さんは優しく話し掛けながら、健康相談表に基づき、食事や体調、通院状況などを確認。その問い掛けに、弘子さんが「みそ汁は具だくさんにして、いつもおいしく食べているんですよ」と笑顔を見せる。

 和やかな雰囲気の中、話題は趣味や仲の良い友人の話にも。洋さんは「保健師さんが来てくれると、やはり安心感がある」と細やかな対応に感謝する。

 戸別訪問で巡回しているのは、町の保健師や訪問相談員の他、「ちいさな手」「やすらぎ荘」など町内の介護事業所のケアマネジャー、道内から災害救援で来町している日本赤十字社の看護師ら計約20人。断水が続く中で健康被害が予想されることから、全世帯を基本に12日に始めた。

 町保健師の安達美香係長は「なるべく早く健康確認をし、何か問題があったときに素早くフォローできるように心掛けている」と話す。実際、住民からは「話を聞いてもらうと安心するし、気晴らしにもなる」との声が聞かれる。

 避難指示が出ていた地域や独居高齢者世帯などを優先し、10月の1週目までをめどに続ける予定。黒澤さんは「被災による健康被害は人それぞれで、短期で解決するものではない」とし、継続してサポートを行うことが重要とする。

 管内の被災自治体では芽室町で13、14日、浸水被害に遭った西地区約100世帯を対象に町の保健師による戸別訪問が行われた。清水町でも16日まで、ペケレベツ川氾濫地域周辺などの高齢者と障害者宅を町の保健師が個別に訪ね、声掛けをした。(中島佑斗)

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