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雪また雪、春耕遅れ 対応追われる管内農家

畑の雪解けを促進する融雪剤の散布作業(12日午前11時ごろ、金野和彦撮影、中札内村興和で)

 2月末から3月にかけての降雪で、十勝管内の農家は春作業の遅れを心配している。平年より融雪剤を必要とする農家が多くなりそうで、資材不足が起きる可能性もある。畑の排水路(明渠=きょ=)が湿った雪で埋まってしまった地域もあり、農家や行政が対応に追われている。

 十勝管内では2月中旬まで順調に雪解けが進んでいたが、2月26、27日、3月1、2、10日と大雪に見舞われた。帯広測候所によると10日の降り始めからの降雪量は中札内村上札内33センチ、新得30センチなど。3月としては最も深い積雪量となっている地域もある。

 降雪を受け12日、太陽の光を吸収しやすい黒色の炭の粉など、融雪剤を散布する農家も。中札内村興和で約27ヘクタールを経営する興和農場の前原宏康さん(30)は「風が強いので途中でやめるかもしれないが、融雪剤をまいている。予想以上の雪で、4月初旬からゴボウの春掘りやダイコンの種まきを始めたかったが、遅れるかもしれない」と懸念する。

 市桜木町の畑作農家・斉藤正志さん(63)は「3月にこんなに重い雪は経験がない。雪が湿っているので、凍って固まるまで融雪剤散布も入れない。畑の入り口も除雪しないと」と話す。今週末から融雪剤散布に入る予定で、「ダイコン用に前もって用意したが、今年は全体的に不足するのでは」とみる。

 管内ではビニールハウスでビートの育苗が行われている時期で、各地の農家はハウスがつぶれないよう除雪に追われた。芽室町上美生の梶澤幸治さん(43)は「ビートは鉄骨のハウスなので大丈夫だったが、シイタケのハウスは除雪に苦戦した」と話す。「湿った雪なので解けるのは早いのでは」と春作業に向けて準備を進めるが、「一気に解けすぎると、(雪の下の)小麦が水で窒息する恐れもある」と心配する。

 各地の畑では、排水用の水路が湿った雪で埋まり、雪解け水がたまって畑や住宅が浸水寸前となる事態も発生。芽室町祥栄では、4カ所で農業用排水路から一時、水があふれた。町農林課は、これまでの積雪や凍結で明渠の容量が少なくなっている中、その上を10日の雨や雪が流れたことが要因とみている。 

 町は2カ所で、重機を使って下流の雪や氷を取り除き、流量を増やす対策を取った。他地域でも明渠が埋まっている箇所があるとの情報もあり、今後、排水対策が必要になりそうだ。(眞尾敦、深津慶太)

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