農業生産工程管理のアプリ開発 芽室・北農研
【芽室】独立行政法人・農研機構北海道農業研究センター(北農研)芽室研究拠点の研究員・伊藤淳士さんが、札幌のIT(情報技術)企業と共同で、農産物生産工程管理のウェブアプリ「apras(アプラス)」を開発した。パソコンやスマートホン(多機能携帯電話)で農薬や肥料の使用状況などを管理し、生産物の安全・安心を向上させる。収集したデータを基に農家の営農改善にも役立てる。
共同開発した北海道日興通信(札幌)が4月から販売する。現在は多くのJAで生産履歴の管理が行われているが、書類の多さなど業務の煩雑さの解消が課題となっており、アプリでJA、生産者双方の負担を軽減できる。
アプラスは、必要なプログラムやデータが全てインターネット上で運用管理される「クラウド」型。IT機器に不慣れな生産者でも、専用の手書き帳票に書いてJAに送り、JAがOCR(光学式文字読取装置)ソフトで電子データ化する。
両者は2005年から開発に着手し、道内の8JAで実際に使ってもらい、実証実験を積み重ねてきた。8JAに十勝のJAは入っていない。
導入費用はJAが負担し、導入時に200万円と年間保守に約60万円が必要。伊藤さんは「道内外から引き合いがある。十勝のJAにもぜひ使ってもらえれば。今後も気象データとの連動など機能を拡張していきたい」と話している。
(眞尾敦)