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雪不足の影響深刻、管内スキー場は悲鳴

人工降雪機を稼動させた部分以外は草が見えたままになっているメムロスキー場のゲレンデと、久保田正光副支配人(11日午前10時半ごろ、塩原真撮影)

 暦の上では冬本番だが、今冬の十勝管内はまとまった降雪が少ない。積雪を観測する全12地点のうち、上士幌町ぬかびら源泉郷を除く11地点でいまだに「積雪ゼロ」の状態。スキー場のゲレンデ整備や小・中学校のスケートリンク造成に大幅な遅れが出ており、関係者は気をもんでいる。

 帯広測候所によると、今季のまとまった降雪は、10月16日と11月28日の2回だけ。一時的にあった積雪もその後の好天で姿を消し、11日午前11時現在、唯一積雪がある上士幌町ぬかびら源泉郷でも5センチと平年(22センチ)の4分の1以下になっている。帯広(平年9センチ)など平野部に限らず、新得(同11センチ)や芽室(同13センチ)などスキー場を抱える山沿いも「積雪ゼロ」の状態だ。

 十勝は冬場に太平洋側を低気圧が通過する際、まとまった雪が降る傾向が強い。しかし、今季は寒気の張り出しが弱く、「低気圧の通過も少ないため、雪が少なめ」(同測候所)という。

 管内スキー場では雪不足の影響を深刻に受け止める。サホロリゾートスキー場(新得)では例年、この時期の積雪は50センチ前後で、12月中旬には全コースが滑走可能となる。だが、今季は現時点で人工降雪機を使った山麓の1コースがオープンするのみで、「これほどの雪不足はここ15年で初めて」(運営チームリーダーの斉藤和則さん)と深刻だ。

 ぬかびら源泉郷スキー場(上士幌)は7日、昨年より6日遅れで競技者向けコースをオープンした。残り10コースについては21日の一般開放を目指すが、市田雅志支配人は「雪が降らないと間に合わない」と困惑する。メムロスキー場(芽室)は10日の雨で、人工降雪機を使って積もらせた雪が溶け出した。15日に予定するオープンの延期は避けられない状況という。

 小・中学校のスケートリンク造成作業にも黄信号がともる。帯広市教委によると、市内小、中学校40校のうち、38校がグラウンドにスケートリンクを造成。うち小学校は全26校が造成予定だが、現時点で作業に着手できていない。例年だと12月上旬の降雪後に圧雪し、散水を繰り返す作業に入るが、散水しても太陽光で溶けてしまい何もできない状況。市教委総務企画課は「冬休み時期のオープンも厳しいのでは」とこぼす。

 昨年12月10日に管内トップを切ってリンク開きを行った上士幌萩ケ岡小(日景康成校長、児童18人)でも、今年はグラウンドの土が見えている状態。PTAや教職員は「早く作業に入りたいが、天候には勝てない」と気をもむ。

 同測候所によると、管内では12日明け方にかけて降雪の予報だが、降雪量は山沿い5~10センチ、平野部0~5センチ程度。この先1週間、まとまった降雪はなさそうで、積雪を待ち望む関係者をさらにやきもきさせそうだ。

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