足寄で増水 143人避難
【足寄・幕別・陸別・芽室】9日の大雨で避難勧告や避難情報が出された足寄、陸別、幕別の3町では、一時最大200人ほどが避難した。住民は度重なる避難に疲れた表情を見せる一方、助け合う姿もあった。
足寄町は9日午後8時、利別川と足寄川、螺湾川の水位が上昇し、旭町や螺湾地区の一部など計910世帯1903人に避難勧告を出し、翌10日朝にかけて最大143人が避難した。8月の台風7号以来3、4回目となる住民もいた。
台風7号でも避難所となった「旭町母と子の家」には最大50人が避難。高齢者を気遣い、飲料水や毛布の手配を手伝う人もいた。広井栄喜さん(74)=旭町4=は「これまでの経験もあり、避難準備の段階で来た人も多い」と話した。70代の女性は清水町の台風被害を思い、「私たちなんてまだいい」と言葉を選んだ。
幕別町では9日午前10時31分、台風10号で猿別川、旧途別川の浸水があった相川、猿別の104世帯240人に避難勧告が出され、一時49人が農業者トレーニングセンターに避難。水に漬かった家財の片付けなど普段の生活を取り戻す矢先の再避難に、住民には疲労感がにじんだ。
同町内では糠内地域に避難準備情報が出され、一時3人が避難。陸別町でも一時、避難準備情報が発令さ
れた。芽室町の避難準備情報も9日午後に解除された。足寄などの避難勧告も10日までに解除された。
影響は道路にも及び、利別川の増水で9日午後、足寄町内大誉地の国道242号に架かる第3利別橋の照明(高さ約5メートル)が倒れ、国道片側をふさぎ一時通行止めとなった。(木村仁根、眞尾敦)