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大雪 後処理の週末 スキー場“痛しかゆし”気温上昇

湿った重たい雪に対応するため、金属製スコップが売れている(DCMホーマック稲田店、折原徹也撮影)

 11月としては異例の大雪から一夜明けた28日、十勝管内は各地で午前中から気温が上昇し、住民はべちゃべちゃに解けた雪の“後処理”に追われた。帯広市内のホームセンターは、スコップなど除雪用具を買い求める人で混雑。12月のオープンを予定している管内の各スキー場は、待望の積雪が今後解けないことを願っている。

除雪用品好調
 市内のDCMホーマック稲田店では、大雪・荒天で客足が伸びなかった27日とは一転、土曜日ともあって午前中から除雪用品を買い求める人でにぎわった。
 湿って重たい雪のため、「本来は春先から売れ始める、丈夫なアルミスコップの売れ行きが好調」(津嶋正樹運営主任)という。

 また、降雪による悪路でタイヤがはまり、動けなくなる車が続出したこともあり、タイヤの下に進行方向に敷く「スノーヘルパー」も売れているという。

 一方、スキー場では今回の雪を歓迎しつつも、気温上昇で“痛しかゆし”の様子。
 メムロスキー場(芽室)では、約20センチの積雪はあるものの水分を含んだ雪のため、圧雪ができない状態という。オープン予定の12月中旬に向け、「気温の低い日が続き、少しでも雪が残ってくれれば」(久保田正光支配人)とする。

 12月1日に今季オープンを予定しているサホロリゾートスキー場(新得)では圧雪作業などゲレンデ整備を進めており、「雪の影響で他のコースのオープンが早まる可能性がある」という。(高津祐也)

停電が続く中、毛布にくるまって寒さをしのぐ太田さん夫婦(27日午後8時ごろ)

毛布でしのぐ 1市5町で停電
 雪の影響で27日未明に発生した管内の停電は28日未明に完全復旧した。北海道電力帯広支店によると、同支店で精査した結果、延べ停電戸数は1市5町で約800戸となった。交通関係への影響も、28日にはほぼ収まっている。

 停電が発生したのは大樹、広尾、幕別、帯広、浦幌、豊頃。豊頃では28日午前0時半ごろに約40戸が停電し、同3時10分ごろに復旧した。

 着雪による断線や、雪の重みで電柱が倒れたことなどが原因だった。 
 大樹町や広尾町の一部では停電が27日夜まで続き、住民が寒さに耐えながら復旧を待った。両町では避難所も開設された。

 大樹町石坂の会社員太田靖弘さん(42)宅は、午後8時になっても停電が復旧しなかった。石油ストーブが使えず、妻の貴美さん(29)や同居の母親、子供3人と毛布にくるまりながら寒さをしのいだ。

 同町中島の穀内八重子さん(78)宅では午後7時10分ごろに復旧。同町芽武で乳牛140頭を飼う水野穣治さん(31)の牛舎は同8時ごろ復旧したが、借りてきた発電機で搾乳した。(小寺泰介、伊藤亮太)

上札内で49センチ
 帯広測候所によると、26日の降り始めから27日午後1時までの十勝管内の降雪量は、多い順で上札内49センチ、とかち帯広空港48センチ、帯広、ぬかびら源泉郷(上士幌)が各24センチだった。

 積雪量が11月の記録を更新したのは、停電の影響で27日午前7時までしか観測できていない大樹(38センチ)も加えると6地点。とかち帯広空港65センチ、上札内61センチ、陸別37センチ、上士幌28センチ、芽室27センチだった。

 大樹について、同測候所は「最後まで観測できていれば、もっと記録が出た」としている。帯広の40センチは1947年(11月27日)の51センチに次ぐ記録だった。(佐藤いづみ)

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