帯広市議会傍聴席にリアルタイムの字幕モニター設置 聴覚障害者や高齢者に配慮
帯広市議会の本会議場傍聴席に、質疑をリアルタイムで字幕表示するモニターが設置された。9日に開会する6月定例会から運用を開始する。聴覚障害者や高齢者など、耳が不自由な傍聴者でも発言内容を理解しやすい環境を整えた。
2023年の地方自治法の改正で、政府は地方議会のデジタル化への取り組みについて技術的・財政的な支援を行うこととされ、その一つの手法として議事の自動音声翻訳が示された。
帯広市議会では都市行政調査で導入自治体を視察し、傍聴者の要望なども踏まえ、昨年秋に導入することを決めた。
本会議場傍聴席の奥に50インチのモニター1台を設置。音声をリアルタイムで文字化するアプリ「UDトーク」を活用し、字幕をモニターに表示する。モニターを見られる席に限りはあるが、QRコードを読み取って同アプリをインストールした個人の端末でも同じ内容を表示できる。
議会運営委員会の菊地ルツ副委員長は「聞こえに課題のある人にも議会のことを知ってもらえる。今回は第一歩で、より広くいろいろなツールで情報提供できるよう検討を進めていく」と話している。(津田恭平)