廃車が○○に生まれ変わる 専修大生が“若者らしい発想”でマテック商品を提案
【札幌】総合リサイクル業のマテック(帯広市)は、回収した廃車の部品のアップサイクル事業で、若者ならではの発想を取り入れようと専修大学(東京都)の学生と商品開発に取り組んでいる。学生による成果発表会が13日に札幌市内で行われ、車のエアバッグの生地の強度や耐熱性を生かしたナップザックやヘアアイロンケースなど、日常生活で役立つ商品を社員らに提案した。(大海雪乃)
同社は廃棄される自動車の部材を破砕せずに回収し、グラスや名刺入れなどに加工することで、付加価値を付けるアップサイクル事業を展開している。環境意識の高い若者の発想を生かした新商品を開発するため、技術指導を受ける道立総合研究機構(道総研)の紹介で、専大商学部の奥瀬喜之教授のゼミナールと昨年度から連携。今年度は2年生6人が商品アイデアと認知拡大の方法などを検討した。
同社社員や道総研職員が出席した発表会では、車のシートの革やエアバッグ、窓ガラス、シートベルトを活用した約20の試作品を紹介。ナップザックはエアバッグの生地の強度を生かし、マチを付けて大容量に設計。提案した佐藤美純さんは、大学内でナップザックを持っている人をよく見かけるとし、「エコでトレンド性を兼ね備えている」とアピールした。
車内での扱いに困りがちな、ぬれた傘をしまえるケースや紛失防止タグの革ケースも紹介。工場見学後の活用を想定した、写真立てやおもちゃの手作りキットなど、子どもがアップサイクルを楽しみながら学べる取り組みの提案もあり、出席者から好評を集めた。同社の田中克宜執行役員は「実用的で使いたいと思わせる商品が結構あり、商品化されてもおかしくない。身の回りに良い資源があることを次の世代に伝えるため、体験学習をやっていきたいと改めて思った」と話した。
◆関連記事
・気泡の入ったグラスは“訳あり品”? リサイクル業者が伝統工芸に挑む-電子版ジャーナル