ひそかなブーム? 牛乳山で牛乳を飲む
【新得】新得市街地の西側に位置する「牛乳山」(480メートル)の山頂で牛乳を飲む-。そんな体験が近年、登山愛好家やSNSの間でひそかに人気を集めているという。生い茂るササなどのため、山頂に立てるのは冬だけ。人気にあやかり、残雪に覆われた牛乳山を登ってみた。(小野寺俊之介)
牛乳山は、新得市街地を象徴する新得山の西側に連なる。かつては町営牧場として牛馬の放牧場に利用され、新得山スキー場が開業する前は南側斜面がスキー場としてにぎわったという。
「山好きの間でちょっとしたブーム」と教えてくれたのは、本社市政担当の完戸雅美記者。例年なら適期という2日、完戸記者に案内役を頼み、その友人と一緒に新得神社の登山口に立った。
スノーシューで
牛乳山にたどり着くには新得山からの縦走が必要。まずは新得山の山頂を目指して登り始めた。連日の陽気で歩きやすい新雪ではないが、天気は穏やかで春山の様相だった。
スノーシューで湿った雪を踏みしめ、斜面を登ること約1時間で山頂に到着。少し休憩を挟んで、西側の斜面に向かうと「林業試験場方面」の看板が見えた。雑木林に囲まれ、道らしい道はないが、ラッセル跡がある。その先に目当ての牛乳山があるらしい。
縦走ルートは、夏は背丈以上にささやぶが伸びるため、雪が積もった冬限定だ。新得山を谷底まで一気に下り、再び坂を上り続ける。「もう疲れました」。そんな弱音を吐こうとしたとき、何の目印も無く、唐突に「牛乳山」の看板が現れた。
頂上でごっくん
ここが頂上だ。林で遮られ、決して見晴らしは良くないが、頭上には青空が広がる。鳥の鳴き声すらほとんどしない静寂が心地いい。からからの喉に十勝産の牛乳が染み渡った。
天候にもよるが、残雪の牛乳山は3月中旬ごろまで楽しめるという。
ひそかなブーム? 牛乳山で牛乳を飲む