北のハイグレード食品に十勝養蜂園と源ファームの2品が選出
【札幌】道内の優れた加工食品を認定する「北のハイグレード食品2024」と、北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)主催の新商品発表会が14日と15日、札幌市内でそれぞれ行われ、十勝から3商品がお披露目された。集まった関係者から味や香り、見た目の美しさを高く評価する声が聞かれ、食の王国・十勝の存在感を示した。(安藤有紀)
十勝養蜂園(上士幌町)「シナ(菩提樹)蜂蜜」
源ファーム(大樹町)「白カビ付きサラミソーセージ」
「北のハイグレード食品」には107品の応募があり、シェフや百貨店のバイヤーら食の専門家が審査して19品を選出。十勝から十勝養蜂園(上士幌町)の「シナ(菩提樹)蜂蜜」と、源ファーム(大樹町)の「白カビ付きサラミソーセージ」の2品が選ばれた。
14日に札幌市内で行われた発表セレモニーでは、土屋俊亮副知事から各事業者に選定証書が贈られた。
シナならではの香り濃厚さ好評
十勝養蜂園の「シナ(菩提樹)蜂蜜」は、シナならではの風味と香り、濃厚さが特徴。斉藤達也代表は「十勝で採取した蜂蜜。十勝を代表する商品として作っている」とし、「料理に使っても香りが残り、お菓子にも合う」とPR。
審査員や会場で試食した参加者からは「味、香りがしっかりしていて印象に残る」「香り高くすっきりした味わい」「蜂蜜の色がきれいでパッケージも高級感がある」などの声が聞かれた。
白カビに改良重ね凝縮されたうま味
源ファームの「白カビ付きサラミソーセージ」は、製造工程で加熱せず乳酸菌の力を活用して発酵させ生食できるようにした。20年かけて改良を重ね、「自信を持って皆さまにお届けできる商品ができた」(大美浪ちえ店長)という努力の結晶だ。
苦労したのは白カビの付け方や乾燥方法。「白カビがきれいに付くと香りも良くおいしくなるので、細かなところまでこだわった」といい、審査員からも凝縮されたうま味と食感、香りを評価する声が上がった。大美浪店長は「今後の励みになる」と喜びを語っていた。
ノーステック財団主催の新商品発表会
広内エゾリスの谷チーズ社(新得町)「フロマージュブランショコラ」
ノーステック財団主催の新商品発表会は15日、札幌市内のホテルで行われた。道内から12事業者の商品が紹介され、十勝からは広内エゾリスの谷チーズ社(新得町)の「フロマージュブランショコラ(仮)」が出品された。
フロマージュブランはフランス語で「白いチーズ」を意味するフレッシュチーズ。同社では料理や菓子に使いやすいよう水分を抜いて固めに仕上げて販売している。今回、フロマージュブランを一口サイズにし、チョコレートでコーティングした冷凍デザートを開発した。
道内の観光地で販売されているスイーツはソフトクリームやジェラートが主だが、それとは異なる新しい提案ができないか考えたのがきっかけ。
寺尾智也代表は「チーズ以外の加工品を一から企画するのが初めてだったので、大変なことばかりだった」と打ち明ける。「どんなシーンで食べてもらえるか、バイヤーが売りやすい商品とはどんなものかなどいろいろな観点で考えた」という。
原料は新得町の外川牧場、門野牧場、清水町の宮地牧場の放牧酪農乳を使用。土産店の冷凍品販売コーナーは見づらい場所にあることが多いとし、店内の見えやすい位置に小型の専用冷凍販売機を設置して販売する計画も示した。
商品化に向け、パッケージなどを今後さらに検討。寺尾代表は「子どもにも食べてもらえるようなイメージで考えていきたい」と話していた。
発表会ではこのほか、上川管内幌加内町でソバの生産・加工などを行う「そばの坂本」がそば殻を使用して染めた衣服を出品。制作は芽室町の「Otodesign」(小野寺智美代表)が行った。企画者の石川朋佳さん(幌加内町)は、「販売方法などあらゆる面で小野寺さんにアドバイスをいただいた。太陽のような存在」と感謝していた。