サブカルで障害者就労を支援 「でじるみ」が大空地区に2月開設
イラストレーションなどのサブカルチャーを障害者の就労・自立支援に取り入れている帯広市内の事業所「でじるみ」が2月、帯広西(西19南2)に続き、大空地区に2カ所目の「でじるみ帯広南」を開設する。プロのクリエーターなどから技術を学び、好きなことを生かせる環境が好評で、受け皿の拡大が狙い。帯広西には昨年9月の開設から多く問い合わせが寄せられていた。26日に「帯広南」の内覧会を行う。(細谷敦生)
「でじるみ」は、一般企業への就職が困難な障害者に就労機会を提供する「サブカル特化型」の就労継続支援B型事業所。社会福祉事業を展開するグローバルソリューション(本社大阪)が運営し、1月までに全国で12カ所展開している。帯広市内の公認心理士で、同事業所の統括マネジャーの永野拓己さんによると「短期間で同じ地域に二つ開設するのは、でじるみの中でも珍しい」という。
帯広西には約40人が登録。20~30代が中心で、帯広以外にも音更、幕別、芽室から通っている人もいる。開設から4カ月で100件以上の問い合わせがあった。公共交通機関の利用や、保護者の送り迎えなどの自力通所が多いが、帯広駅までの送迎も行っている。
毎日や週に1回など通所の形はさまざまで、オンラインを活用した在宅での利用もできる。もともと好きだったイラストレーションのステップアップや、新しい技術の習得などに取り組んでいる。
永野さんは「障害者の事業所で好きなことを生かせる場所はなかなかない。『このような場所があって良かった』という声もあり、埋もれていたニーズがあったのだと思う」と話す。
1日の定員である20人に迫る日もあることから、市大空町10に十勝2カ所目を開設することにした。
でじるみは他のB型事業所と違い、好きなことに集中して取り組む中で社会性を身に付けられるのが特徴。永野さんは「現在は技術向上に取り組んでいるが、今後はポスターやパンフレットなどのイラストを受注して納品できるようにしていきたい」と語る。
帯広南の内覧会は26日午前10時半~午後3時。施設の見学や無料体験を行う。申し込みや問い合わせはでじるみ帯広西(0155・65・0340)へ。