JAあしょろ産白イチゴで高級果実酒 1本7万2000円 長崎の企業が開発
【足寄】JAあしょろ(新津賀庸組合長)が生産している白イチゴ品種「天使のいちご」を使った高級果実酒が今月上旬に完成した。長崎県諫早市の農産物加工販売会社のマダーレッド(宮下朝清社長)が手掛けた。東京や札幌で開いた展示会の評価も上々で、料亭やホテル、ソムリエが高い関心を示したという。現在は同県内の販売のみだが、今後は産地の足寄など道内や、インターネット販売のほか、タイやシンガポールなど東南アジアへの輸出も視野に入れる。新津組合長は「マダーレッドと車の両輪のようにしっかりと連携して、生産量を確保していきたい」と話している。(北雅貴)
商品名は「ホワイトストロベリーワイン 茜鶴」で、価格は720ミリリットル入り7万2000円(税別)。富裕層をターゲットにしている。
昨年設立したマダーレッドが、通年で希少価値のある白イチゴを収穫できる事業者を探していたところ、今年5月に同JA産の「天使のいちご」を知った。6月から福岡県の会社に委託して、規格外の冷凍イチゴを使用した果実酒づくりに着手した。
21日に同JAで記者会見した同社の宮下清次郎専務は「生で食べた際、甘さとほどよい酸味のバランスが絶妙だった」と話した。アルコール度数は7%で「さっぱりとして飽きない甘さ。女性にも飲みやすく、一人でも多くの人を幸せな気持ちにしたい」と力を込める。
同社はこれまで農産物をタイに輸出した実績もあり、同JAの白イチゴは8月に同国へ輸出している。果実酒は長崎県内でしか購入できないが、今後は国内外で販売網を確立していく予定だ。
同JAはイチゴブランド「スウィーティー・アマン」を展開しており、年間収穫量20トンのうち、「天使のいちご」は4トン。新津組合長は「8年前にハウスを利用したイチゴ生産に取り組み始めて、安定して収穫ができるようになってきた。今回で知名度の向上につながれば」と期待している。