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山も谷も乗り越えた3大学統合 3月末退任 帯広畜大・奥田学長に聞く

3大学の経営統合への思いや在任期間中の思い出を語る奥田学長(金野和彦撮影)

 任期満了で3月末に退任する帯広畜産大学の奥田潔学長(69)=2期=が11日、同大で記者会見し、その後、十勝毎日新聞社のインタビューに応じた。4月に迫った小樽商科大、北見工業大との国立3大学経営統合への思いや、退任後の活動について語った。(澤村真理子、松田亜弓)

 -畜大の場合、学長は最長3期8年務められる。任期についての考えは。
 8年は極めて長いと思っている。個人としての考えだが、大学にはある程度の新陳代謝があった方がいい。(退任を)正式に決めたのは5年目が終わったときくらいで、3大学(の経営統合)がうまくいくぞという確信を持ったとき。

 -4月から経営統合となる。これまで準備に当たってきて、このタイミングでの退任に心残りは。
 ないといえばうそになる。ただ、どこかで線を引かなければならない。3大学の経営統合がスタートするのは一つの区切りと考え、決断した。

 -退任後の活動は。
 学長の話をいただく前に、ヨーロッパにシニアプロフェッサーで行く話が進んでいた。ポーランドのヴロツワフ大学が先端の研究所を創立し、そこで生殖科学のチーフになってほしいという話があり、今詰めているところだ。

 -退任後、畜大との関わりは。
 長谷山彰理事長(予定者)に退任する旨を伝えたとき、「何らかの形で助けてもらうことがあるかもしれない」というお言葉をいただいた。法人あるいは本学の方で、私を何らかの形で必要とされるのであれば、喜んでお手伝いしたい。

 -在任期間中、最も印象に残っていることは。
 やはり3大学の経営統合。スタートからここまで山もあれば谷もあった。

 -後任の学長には長澤秀行氏(前学長)が有力となっているが、期待は。
 長澤先生はこの6年間、文部科学省の評価委員や北海道大学の経営協議会などでさまざまな役職を務めており、力強く新しい出発になると思う。

 今春から法人評価という形で北海道国立大学機構が評価される。評価する側として活躍してこられた長澤先生には「これはこうした方がいい」などと意見を言ってもらい、本学の発展のために力を発揮してほしい。

研究を立案 寄付もいただいた
 -大学を取り巻く環境が厳しい中、同窓生や地域からの寄付金は着任当初から約3倍に伸びた。

 同窓生として同窓生に声掛けし、寄付された方には自筆で感謝状を書いてきた。理事長の役割は資金調達が一番大きいと思っている。この寄付金とは別に、企業に赴き、立案した研究ネタに理解をいただき、得た寄付も多い。

 -コロナ禍での大学運営は。
 とても大変だったが、先生方も学生も「限りのある環境の中で学ばせたい」「学びたい」と、うまく回っていたと思う。学生のアンケートでも高い評価をいただき、先生たちの努力に感謝している。

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