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帯広のカフェ幻想が閉店へ 45年の歴史に幕

「45年間、多くのお客さんに来てもらい、恵まれていた」と話す奥代表。店内には閉店を伝える張り紙も

 帯広市内の老舗カフェレストラン「カフェ幻想」(西11南11)が15日に閉店し、45年4カ月の歴史に幕を閉じる。代表の奥祐明さん(74)は「人が好きだから今までやってこられた。たくさんの方にお世話になった」と来店客に感謝している。

 奥さんは帯広市出身。父重信さん(故人)が創業した「奥家具店」の支店(西2南5)を改装し、1976年9月に同店をオープンした。店名は札幌で通っていた喫茶店の名前から名付けた。

 開店当初は食事メニューがナポリタンなど4種類しかなかったが、今ではドリンクメニューも含めて120種類ほどに充実。奥さんは「お客さんが食べたいものを聞いて、提供しているうちにどんどん増えた」と笑う。名物はミートソースにチーズをかけてオーブンで焼き上げる「ミラネーズ」(1000円、税別)。ランチでは、クロワッサンやピラフ、ハンバーグ、カレーライスなど9品を提供する「よくばりセット」(2000円、同)など、ボリューム満点のメニューもある。

 奥さんは調理を担当し、連日フライパンを振るう。妻美知子さん(73)も厨房(ちゅうぼう)に立つ。ただ、奥さんは心臓に疾患があり、美知子さんも手足に痛みがあるなど、年齢を重ねて体調は万全ではない。奥さんは「僕らは2人で1人。片方に無理を強いられないから、これ以上仕事はできない」と昨年12月に閉店を決めた。

 店は2018年に西帯広から現在地に移転オープンした。移転は6度目。昭和の喫茶店から始まり、現代風で人気の令和のカフェレストランに。「昔からの常連さんが子どもや孫を連れてきてくれる。それがうれしくて。多くのお客さんに来てもらい、本当に恵まれていた」と、歩みを振り返る。

 閉店後の店舗はカフェ経営を希望する知人の若者に譲ることを検討中。その場合、店名は変わるという。

 15日までの営業時間は午前11時~午後6時。12日は定休日。問い合わせは同店(0155・67・6094)へ。(松村智裕)

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  • 「45年間、多くのお客さんに来てもらい、恵まれていた」と話す奥代表

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