アイヌ文化の魅力、ラジオで発信 ハポネタイの惠原代表 5月からJAGAで
清水町旭山の森を拠点としたアイヌ文化発信プロジェクト「ハポネタイ」の代表、惠原詩乃さん(帯広市出身、東京都在住)は5月から、アイヌ文化の魅力を発信するラジオ番組をJAGA(FM77・8メガヘルツ)で始める。惠原さんは「アイヌ文化は身近で親しみやすいと感じてほしい」と話している。
番組名は「anuanu(アヌアヌ) ハポネタイ母なる森から」。毎週土曜日午後5時からの30分番組で、初回は5月1日。アヌアヌは、アイヌ語で「聞いて、聞いて」の意味。
番組ではアイヌ関連の活動に取り組むアーティストや音楽家、十勝の芸術家などをゲストに招き、さまざまな話題を提供する。リスナーとのコミュニケーションを重視し、アイヌ語で「理解してお互いの心が明るくなる」を意味する質問コーナー「ウエペケンヌ」を設ける。
惠原さんと親交がある世界の先住民族も紹介し、アイヌ文化を通して十勝と世界をつなげる考え。
惠原さんは企画・構成やゲストの出演交渉などを一手に引き受ける。「アイヌ文化を分かりやすく、興味が持てるよう伝えたい。清水町をはじめ十勝の人にハポネタイを知ってもらい、活動に生かしていきたい」と話す。初回の収録は今月中旬に都内で行い、アイヌアーティストsayoさんを招き、アイヌ文化を題材にしたイラスト制作に込めた思いなどを聞いた。
ハポネタイは2009年、清水町を拠点に活動を開始した。アート展やライブ、アイヌの伝統的住居「チセ」作りなどを実施していたが、13年に活動を休止。昨年、7年ぶりの活動を東京で再開した。
今年秋ごろには、新型コロナウイルス感染状況を見極めながら、清水町でアイヌ文化の体験イベント開催を検討している。(池谷智仁)