自宅からバス停にお届け 十勝バスが新規事業
十勝バス(帯広市、野村文吾社長)は25日、利用者の自宅とバス停を結ぶ「おでかけ楽々便 おおぞライナー」の運行を始めると発表した。来春の本格運行を前に、10月1日から帯広市内の大空団地バス停で試験的にスタートする。自宅-停留所間を低料金で送迎することで、バスの利用増につなげる。
管内バス業者では初の取り組み。10月に対象となる停留所は「大空7丁目」で、同停留所を発着する午前10時~午後3時の計5便に接続する。
利用者は発車時刻の45分前までに電話で利用日、利用人数、乗車時刻を申請。同社の車両が利用者を自宅からバス停まで輸送する。復路も同様。料金は距離に関係なく1回300円(片道)。降車時に現金かペイペイなどで支払う。
車両は同社が所有するハイエースを活用。バスよりコンパクトな10人以下の乗り合いで、タクシーとは異なる料金形態の「一般乗り合い旅客事業」として同社が単独で実施する。新規利用者の獲得や利便性の向上を目的に、昨年春から準備を進めていた。
試験運行は3月31日まで。検証結果を踏まえて4月以降の本格運行の際に、対象エリアの拡大も検討する。同社の長沢敏彦事業本部長は「高齢者などに利用してもらうことで路線バスの新規利用者を獲得し、運転免許の自主返納による交通事故の低減に貢献できれば」と話す。(沖田唯可)