公共工事 復旧の反動減
公共工事の動向を表す、公共工事前払金保証請負金額の2018年度分がまとまった。十勝管内は前年度比26・7%減の639億6718万円。16年台風の災害復旧工事が落ち着いたこともあり、3年ぶりに減少に転じた。
北海道建設業信用保証帯広支店(上島秀一支店長)がまとめた。17年度は国や道、市町村の災害復旧工事が本格化し、全体額を引き上げていた。
主な発注者別の請負額は「国」が166億1301万円(前年比32・4%減)、「道」が287億9873万円(26・7%減)、「市町村」が176億5899万円(16・9%減)、「独立行政法人等」が3億547万円(75・6%増)。国は道横断自動車道の工事、道は河川災害の復旧工事が減少した。
市町村は、17年に十勝川水系河川緑地の災害復旧やとかち帯広空港のエプロン拡張工事があったため、反動減。増加した独立行政法人等は、帯広畜産大学で図書館改修工事があった。
市内建設会社の幹部は3年ぶりの減少について、「今年度は復旧工事がほとんどなく、台風前と比べても公共工事の数は同程度か少し減っている。昨年の胆振東部地震の被災地や、新幹線の工事に予算付けがされている印象」と話す。
帯広開発建設部の今年度事業費概要によると、予算は前年度を約15%上回る約320億円を計上。防災・減災のための対策などに費用が充てられている。
日本銀行帯広事務所の水川達生所長は「18年度は前年からの反動で減少したが、今年は減少基調から脱している。農業基盤整備など公共工事はまずまずの水準が確保されており、十勝経済を下支えするだろう」とみている。(中島佑斗)
<公共工事前払金保証請負金額>
公共工事代金を一部前払いする官公庁などの発注機関に、保証事業会社が前払いを保証した工事額。公共工事の増減指標に用いられ、公共工事全体のカバー率は約7割とされる。
公共工事代金を一部前払いする官公庁などの発注機関に、保証事業会社が前払いを保証した工事額。公共工事の増減指標に用いられ、公共工事全体のカバー率は約7割とされる。