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国鉄時代の旅再現 25日、帯広ー厚内間に貸切列車

十勝晴駅5周年を記念した列車を25日に運行する穂積さん。乗車券箱やヘッドマークも今回のために作った

 【音更】私設鉄道博物館「十勝晴(とかちばれ)駅」(音更町柳町南区12)を運営する穂積規さん(59)が同駅の開業5周年を記念し、25日にJR根室線帯広-厚内(浦幌)間で1往復の貸し切り列車「十勝晴号」を運行する。昔ながらの弁当売りを行うほか、厚内駅では旧士幌線の行き先表示板を掲示するなど、鉄道ファンならではの趣向を凝らした企画を用意する。乗車申し込みはすでに締め切ったが、厚内駅での撮影などは可能で、穂積さんは「国鉄時代の古き良き旅を再現したい」と当日を心待ちにしている。

 十勝晴駅は2014年8月にグランドオープン。鉄道関係者やコレクターから得た貴重な鉄道部品のほか、鉄道模型のジオラマなどが展示されている。

 貸し切り列車の運行は、穂積さんが十勝晴駅の常連客と共に約1年前から準備を進めてきた。列車は運行計画などを事前にJR帯広駅に申し込む「団体貸し切り列車」扱い。運転士や車掌はJR社員が務め、佐々木大輔帯広駅長も乗車する。

貸し切り運行する車両のイメージ(穂積さん提供)

 帯広起点のローカル線を想起させる1両で運行。車両は新得-釧路間の普通列車として使われている「キハ40 777」を使用する。10年ほど前に朱色の国鉄色に塗装され、「777」の数字も相まって人気が高い。

 行きは普通列車で、帯広駅午前9時39分発、同11時42分に厚内駅着。区間内のすべての駅と信号場に停車する。帰りは急行列車で、厚内駅を午後1時発、池田駅を通過して同3時1分に帯広駅に着く。穂積さんは「道内には定期急行がなくなったが、種別幕には『急行』と表示される」と見どころを話す。

入場券と乗車券も運行に向けて制作。乗車券は国鉄時代を再現し、「こくてつ」の地紋が入る

 乗車券や入場券、2種類のヘッドマークなどは今回のために作製。行きの池田駅では旧国鉄時代を思わせる弁当売りを復活させ、乗客は窓を開けて弁当を受け取る。厚内駅では行き先表示板を、当日の「帯広-十勝晴」から旧士幌線「帯広-十勝三股」、旧広尾線「帯広-広尾」など懐かしい表示に交換する。

 約60人が乗車予定。乗車受け付けは締め切ったが、厚内駅などの撮影は乗車していなくても可能。厚内駅では乗車しない人にも、穂積さんが入場券を発行する。穂積さんは「いろいろな鉄道の楽しみ方を凝縮した、二度とない企画になる」と話す。(中島佑斗)

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