台風で飼料コーン倒伏 サケ漁では網破損も
18日に北海道に上陸した台風18号による大雨と強風は、管内の農業や漁業に被害を与えた。農業では収穫期を迎えた飼料用トウモロコシのデントコーンが強風で倒伏し、各地で畑の冠水が発生。漁業は秋サケ漁の定置網が破損し、不漁に追い打ちをかけている。
道の19日時点の発表では、管内の農業被害の報告は足寄町のデントコーンの倒伏と牧草地の冠水と土砂流入だけだが、今後は管内の各地に広がるとみられる。十勝総合振興局は「被害はデントコーンの倒伏が中心で管内の全域にわたりそう」とする。
デントコーンは例年9月中旬から収穫期に入るが、強風によって、幹が傾いたり折れたりした。倒伏しても収穫はできるものの、時間がかかりロスが出るほか、土が付くと飼料の品質に影響が出る。
酪農地帯の大樹町では18日昼から夜にかけて、台風通過後の吹き返しの風で、多くのデントコーンが倒された。JA大樹町によると、作付1800ヘクタールのうち7割が倒伏。同JAは「早めに刈り取った畑もあるが、8月の低温の影響で多くは20日ごろから本格化するところだった。あと10日遅ければ被害は少なかったが」と残念がった。昨夏の台風でもデントコーンは被害を受けていて、今年の生育が順調だっただけに農家もショックを受けている。(安田義教)