初めて現地で勉強会 市職員向け防災研修
帯広市の職員向け防災研修が23日、指定避難所の一つ帯広北栄小学校で開かれた。昨年の台風時に避難所運営で混乱したことを受け、初めて実地での研修となった。職員は実際の災害対応をイメージしながら、校内の各施設を確認した。
市は避難所を開設した際、職員が責任者となり、地域住民や避難者、学校関係者らと協力して運営することにしている。昨年の台風では、職員が住民らと連携できなかったことが課題として残った。市ではその原因の一つとして、職員が避難所の設備を十分に把握していなかったために、住民らに必要な協力を求められなかったと分析し、今回の研修を企画した。
研修には避難所運営の中心となる国保課、戸籍住民課、保護課の職員を中心に30人が参加した。防災倉庫の備蓄品や、特設公衆電話・地域防災無線の使い方などを確認。職員は備蓄食糧や毛布の配分、避難者を収容する教室の割り振りなど、起こり得る問題をイメージしながら校内を回った。
台風時に避難所運営に当たった帯広北栄小学校の高原茂雄校長は、避難者からの苦情などがあった際に、町内会長やPTAなど地域のリーダーが応対してスムーズに運んだ例を紹介。一方、市職員と学校側が互いに遠慮し、対応が後手に回った面があったと振り返り、「円滑な運営には、学校や地域の人とのコミュニケーションが大事」と指摘した。
市総務課の高坂克彦課長は「特に避難所運営の初動対応では職員がリーダーシップを取らなければならないが、経験が少なく、その自覚を持てていない」と現状を分析。市では今後、実地研修などを重ねながら、職員の意識向上につながる取り組みも進める考え。
(丹羽恭太)