44年の歴史に幕 更別の老舗衣料品店
【更別】総合衣料品店「ファッションハウスなかの」(村更別南1線91、赤津寛一郎代表)が、27日の営業を最後に閉店する。男女の衣料品や寝具などを取り扱い、地元で親しまれてきた44年の歴史に幕を閉じる。
更別村出身の赤津代表(74)は大樹高校卒業後、帯広市広小路の中野呉服店で働き、衣料販売の基礎を身につけた後、30歳で独立し、古里の更別村に店を構えた。
「当時は高い呉服だけでは商売することは難しくなっていた」(赤津代表)と呉服だけにこだわらない店づくりに。修行した店の名前をもらい開店した。赤津代表は「『中野』の名前に恥じないように」と身を引き締めたことを振り返る。
モットーは「店は生き物」。センス、商品の安さや豊富さを求めてきた。現在の店名に変え、店も増築し、一時は2階の売り場も展開。洋服や肌着だけでなく、寝具やカーテン、カーペットなども取り扱ってきた。「自分が身につけるつもりで商品を選んできた。顧みると生まれつき商売が好きだったのだと思う」。
赤津代表は店の経営の傍ら、村議を2015年まで7期28年、04~12年に村商工会長も務めた。妻のアヤ子さん(75)が店を切り盛りし、「妻の力がなければここまで続けてこられなかったはず」と感謝の言葉を口にする。近年はアヤ子さんの体調が優れず、後継者もいないため、閉店を決めた。
日曜定休。10日から閉店セールを始める。問い合わせは同店(0155・52・2341)へ。