貯氷能力1・5倍、津波対策も 広尾漁協製氷施設完成
【広尾】広尾漁協(亀田元教組合長)の新たな製氷・貯氷施設が完成し、10日、同施設で竣工式が行われた。貯氷能力は従来の1・5倍になるほか、津波、高波対策も講じ、高品質な魚介類の安定的な供給への貢献が期待される。
水産物の鮮度保持に用いる氷を作る施設で、現施設の東側に建設した。鉄骨造2階建てで、延べ床面積は1723平方メートル。1日40トンを製氷し、1675トンを貯氷する。岸壁までの距離が近く、船に素早く氷を供給できる。
津波や高波に対応するため、外壁は高さ5メートルまでコンクリートとし、同様の施設としては道内で初めて防潮扉を設置した。2階部分に製氷機器や事務室を置くことで、津波被害があっても機能を維持できるようにした。
竣工式には同漁協役職員、漁業関係者、町、工事関係者ら約50人が出席した。神事を執り行った後、亀田組合長が「鮮度保持は大命題。和食ブームで高品質の魚が求められており、広尾の魚の安全で品質の高い供給に向けて新施設への期待は大なるものがある」とあいさつ。来賓の村瀬優町長、中川郁子衆院議員、道水産林務部技監の津坂透氏が祝辞を述べた。その後、関係者で施設内覧が行われた。
旧施設は津波、高波被害で傷んでおり、老朽化が進んでいることから新たに建設した。事業費は7億9303万円で、国のさけ・ます流し網漁業対策支援事業を活用し、全体の3分の2を国から、3分の1を道から補助を受けた。ぎょれん設計センターが設計、萩原・アカイシ経常建設共同企業体が施工した。(伊藤亮太)