ばんえい競馬馬券購入事件、元騎手らを略式起訴
元騎手ら10人略式起訴 ばんえい馬券違法購入事件
ばんえい競馬の元男性騎手や元厩務(きゅうむ)員ら13人が馬券を購入したとして、今年2月に競馬法違反の疑いで書類送検された事件で、帯広区検は21日、この元騎手1人と元厩務員9人の計10人を同法違反の罪で帯広簡裁に略式起訴した。元厩務員2人と元厩務員の妻の計3人は購入金額が低かったり、関与が従属的だったりしたため不起訴処分とした。
起訴内容は、元騎手と元厩務員9人の計10人が昨年4月から同12月までの間、インターネットの馬券購入サイトを通じ、ばんえい競馬の馬券を購入していたとされる。
釧路地検によると、10人は自分や他人名義でサイトに登録し、1万円から約394万円分の馬券を購入していた。利益を上げた者もいるという。競馬法では八百長などの不正防止の観点から、地方競馬の騎手ら関係者が地方馬券を購入することを禁じている。
帯広市が行政処分へ 厩舎調教師の賞典停止も
元騎手らが略式起訴されたことを受け、ばんえい競馬を主催する帯広市は今後、罰金刑が確定次第、関係者に行政処分を下す予定。処分内容は競馬への関与の禁止または停止で、停止期間などは罰金の額などによって決定する。
また、厩務員が所属していた厩舎の調教師に対しても一定期間、賞金などが交付されない賞典停止などの処分が下される見込み。市ばんえい振興室は「(競馬を監督する)農林水産省や地方競馬全国協会とも協議し11月中にも処分する」としている。
不起訴処分となった2人を含む厩務員11人はすでにそれぞれの厩舎から解雇されている。また、元騎手と、厩務員を雇用していた調教師7人のうち1人はそれぞれ免許が失効している。