合宿誘致に懸念 サホロリバーサイド運動広場
【新得】陸上競技の国内トップ選手が合宿を行う町内のランニングコースが、一連の台風による大雨で一部消失するなど壊滅的ダメージを受けた。佐幌川の浸食で原形に復旧するのは事実上不可能で、今後の合宿誘致にも影響が懸念されている。
サホロリバーサイド運動広場などを周回する同芝生ランニングコースは、毎年陸上競技の実業団チームが合宿に訪れる。“スポーツ合宿の里”を推進する町にとって核となる場所だ。
昨年度、町が受け入れたスポーツ合宿は延べ30団体1048人。陸上関係では、これまでJR東日本、佐川急便、積水化学女子など国内有数のチームが訪れた。リオデジャネイロ五輪女子マラソン代表の福士加代子選手も新得合宿を行っており、町は東京五輪開催決定を受け、海外選手団を受け入れる意向を示している。
足への負担が小さく故障の危険も軽減されると評価された天然芝は、氾濫した川の水に浸かりほぼ全てが死滅。全面的に張り替える必要がある。サホロリバーサイド運動広場や佐幌川公園を外周する延長5・1キロのコースは1キロが土砂に埋まっており、このうち佐幌川沿い100メートルは川の浸食で消失した。また、同じ敷地にあるパークゴルフ場も10ヘクタールのうち7割が冠水し、備品類も流失した。今季は閉鎖が決まっている。
ただ、来月に迫った同所での全道中学駅伝の日程だけは変更できず、急きょ一部仮のコースを造る作業に追われている。町は9月の定例会で、復旧費として2億8000万円の補正予算を計上したが、工事完了時期は未定となっている。町教委は「河川の護岸などと含め、地元の陸上協会やパークゴルフ協会とどこまで再整備できるか検討していきたい」と頭を悩ませている。(小寺泰介)