苦難乗り越え有馬記念で注目企業に 児玉ヘルス商事
昨年12月の中央競馬(JRA)第60回有馬記念(G1)の優勝セレモニーで、一躍注目された企業が帯広にある。飼料などを販売する児玉ヘルス商事(児玉誠也代表)。優勝馬「ゴールドアクター」には、同社が販売する栄養補助飼料が与えられている。中山競馬場でレース後の優勝馬表彰式に出席した児玉代表(53)は「いろいろなことがあったが、この仕事を続けて良かった」と喜ぶ。
この飼料は、ほ乳動物の骨を高熱で処理した骨灰の「ボーンエース」。同社設立の1977年から扱っている。含有カルシウムで丈夫な骨格をつくるなどとして全道の酪農家が購入していたが、牛海綿状脳症(BSE)が発生した2001年には牛に与えるのは危険という風評被害に遭い、苦しい時期を経験した。
飼料安全法で、現在は牛などへの給与が明確に認められている。10キロ1万2000円と乳牛飼料としては高価な部類だが、着実に販売してきた。
約10年前に馬関係者から「サラブレッドに与えてみては」と働き掛けがあり、ゴールドアクターを生産した北勝ファーム(日高管内新冠町)で使われ始めた。児玉代表は「何となく馬の状態が良いと聞き、丈夫な骨格をつくるために良いカルシウムを与えるのは牛も馬も同じと考えた」という。
飼料はゴールドアクターの母馬に与えられ、ゴールドアクターも誕生時から給餌。表彰式への出席は飼料も勝因の一つと認められた結果で、児玉代表は「有馬記念を制したのは衝撃的だった。また感動が得られるよう仕事に励みたい」と気持ちを新たにしている。
(関坂典生)
- カテゴリ企業
- タグ勝毎ビジネス企業なう