ポップコーン用トウモロコシ収穫始まる 本別・前田農産食品
【本別】ポップコーン用の爆裂種トウモロコシの収穫が10月31日から、町内の前田農産食品(町弥生町27、前田芳雄社長)の畑で始まった。4月下旬に約14ヘクタールで種まき、栽培は今年3年目。「十勝の新たな輪作作物に」と取り組んでいる。国内でこれほど大規模に栽培している例は珍しい。
昨年から地温の積算温度を高めるためマルチ栽培を導入、今年は土中で分解する特殊フィルムの実証実験を行う国の補助事業に採択された。分解速度が異なる2種類のフィルムを使い、生育や品質との関連を調べている。
この日午前中、町弥生町の約4・6ヘクタールでは、車両の前部にトウモロコシ用のアタッチメントを取り付けたコンバインで収穫して脱穀した。収穫されたポップコーン用のトウモロコシはトラックで同社に運び込まれ、約20%の実の水分を製品化に適した14%まで乾燥させ、順次倉庫に貯蔵している。
今年の作柄について同社の前田茂雄専務(40)は「2番穂が少なく、収量は見込み(560キロ)を下回るかも知れないが、品質は向上している」と話し、特殊フィルムの効果を検証する。10月上旬の低気圧と台風の接近による強風でも、ほとんどが倒伏しなかったという。
ポップコーンの商品化に向けて、同社は近く包装用の機械を導入、来年2月にも電子レンジで簡単に食べられる商品を市場に出したい考え。前田専務は「商品化への課題は多いが、一つ一つ解決して毎年前進している。冬場の雇用確保にもつながるので、六次産業化の先駆けとしてポップコーンを十勝に定着させたい」と話している。(鈴木裕之)