大正メークインで地ビール JA青年部が商品化へ
JA帯広大正青年部(佐藤日出雄部長)は、特産のジャガイモ「大正メークイン」を使用した大正メークイン地ビールの開発に取り組んでいる。病気でも味が変わらないというジャガイモや規格外のジャガイモの付加価値化や、メークインのさらなるPRにつなげていく。商品化を目指し、JAと協議をしている。9日には地域住民らが集まったイベントで試飲会が行われた。
近年、大正メークインはジャガイモの皮膚の病気「そうか病」のまん延が問題となっている。見た目は悪いが、味は変わらないというそうか病や規格外のジャガイモは安くなったり、くずになったりしてしまうため、付加価値の付く商品開発をしたいと考えた。酒を造りたいとの思いから日頃飲むビールに着目。ジャガイモを使った地ビールを製造できることが分かり、2014年3月に「大正メークイン地ビールプロジェクト」を立ち上げた。
プロジェクトを中心に商品開発を進め、帯広ビール(帯広)とともに製造に取り組んでいる。
地ビールはジャガイモをふかしてマッシュにして、大麦と麦芽と一緒に煮込み、その後の工程は普通のビールと同じ製法だという。「ほのかにジャガイモの風味が感じられ、ビールが苦手な人も飲みやすい」(佐藤部長)。
14年度に青年部やJA職員、組合員らと2回試飲会を行った。今回、青年部の活動を地元住民に知ってもらい、意見を聞こうと、9日に大正ふれあい広場で開かれた大正商工夏祭りで限定10リットルの無料試飲会を実施した。試飲した人からは「おいしい」「最高」と好評で、大正地域在住の田中武さん(71)は「酸味が感じられておいしい」と笑顔を見せた。
佐藤部長は「大正メークインのPRや生産意欲の向上、大正地域の盛り上がりにつながっていけば」と力を込めた。(津田恭平)