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安易な餌付けで感染リスクも 緑ケ丘公園で対策強化

新たに設置したのぼりと、マナー向上を訴える大熊副センター長

 帯広市内の緑ケ丘公園内に生息する野生動物に対する餌付けが、けがや感染症を引き起こす恐れがあることから、同公園を管理する「みどりと花のセンター」(緑ケ丘2)は来園者に餌付けのリスクを周知するなどの対策を強化している。15日には帯広署に協力を仰ぎ、動物への接し方を記載したリーフレットを配布。新たに啓発のためののぼりも設置した。(高井翔太)

 餌やりの大きな弊害は、爪などによるけがや感染症のリスクが高まること。餌付けされると、動物が近寄ってくることを望まない人の所にも寄ってしまうことにつながる。エゾリスは鋭い爪を持ち、堅いクルミもこじ開ける歯があり、過去には園内でかまれた人もいる。付着しているノミやダニを介して感染症にかかる恐れもある。

 また、園内にはサルモネラ菌を持つシジュウカラや、鳥インフルエンザウイルスを持つカモが飛来している可能性も。「野鳥に触れないのは鉄則」と大熊勲副センター長は強調する。

リーフレットで野生動物への接し方を啓発する大熊副センター長(中央)と帯広署員

“常習者”とトラブルも
 同センターは、2020年の冬から公園利用者にSNSや看板、自然観察会などを通して啓発してきた。しかし、ほぼ毎朝餌やりする年配者が10人ほどいるという。指導しても聞き入れてもらえず、「餌やりする人でコミュニティーができてしまっているようだ」と大熊副センター長は頭を悩ます。餌付けを教えられ、新たに始めてしまう人や、注意した人と口論に発展したケースもあった。

 センター職員と公園利用者からの餌やりの通報件数を集計すると、23年11月から24年10月末の1年間で106件確認された。このうち6割強が11~3月の冬季で、午前9~10時ごろにほぼ毎日餌付けする人も。3回以上注意してもやめてもらえない“常習者”の件数を入れるとさらに増える。場所は、児童会館奥の彫刻の径(みち)を中心に、十勝池排水口のベンチや、帯広百年記念館東側の日陰棚が多いという。

 こうしたことから、15日には公園近くに交番がある帯広署員と協力し、野生動物を観察するこつのほか、餌付けの危険性も記載したリーフレット「アニマルウォッチングガイド」を来園者に配布した。またこれまでの禁止を強調した看板ではなく、「つかず はなれず エゾリス。」とプリントした適切な距離を取ることを促すのぼり14基を園内に設置。野生動物へのマナーを周知している。

 同センターは「公園での餌付けについて多くの人に理解と協力を頂いているが、一部の人が台無しにしている。餌付けは観光客への印象も悪く、市には条例による餌付けの禁止を検討してもらっている」としている。(高井翔太)


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