再びクマ出没、音更緑南中付近の畑
【音更】音更町下士幌北3線の畑で10日、クマ1頭が歩いているのを、校外授業中の音更緑南中学校の生徒が発見した。最寄りの民家までの距離は約200メートルだった。町内では7、8日に木野地区でクマが出没したばかりで、市街地周辺で相次ぐ目撃情報に町や学校、地域住民に不安が広がった。現場周辺を捜索した道猟友会音更支部によると、足跡の大きさから、木野地区に現れたクマとは別の個体とみられる。
同校によると、現場は学校から北に約500メートルの付近。同日午前9時ごろ、体育科の授業で、校内駅伝大会の練習で北3線の町道を西に走っていた2年生の女子生徒3人が、北西にある防風保安林の中を北に向かうクマを見た。生徒たちからクマまでは30~40メートルくらいだったという。
連絡を受け、同支部は午後1時半ごろからハンター9人でクマを捜索したが、発見には至らなかった。現場付近では成人男性のこぶし大の足跡を見つけた。田守一好支部長は「昨年秋に親から離れた2、3歳の子グマだろう。東の山から来たのでは」とみる。
現場を訪れた寺山憲二町長は「今後は猟友会と相談しながら対応したい。町民の安全のため職員と頑張りたい」と話した。町は同日の日没まで消防と車両5台で付近の監視を続けた他、午後7時ごろまで広報車でクマ出没を付近住民に知らせた。周辺農家にはファクスで注意喚起した。
同支部は11日早朝も現場周辺をパトロールしたが、クマの姿や形跡は見られなかったという。
クマ目撃から一夜 見守られながら登校
クマの出没を受け、緑南中(福田茂校長、生徒420人)は10日の部活動を中止し、集団下校を実施。帰宅後の外出を控えるよう生徒に注意喚起した。
11日朝も複数人での登校を指示した他、下士幌地区の生徒約40人については保護者に送迎を依頼。通学路は要所に教職員を配置、町と警察の車両が巡回し生徒の登校を見守った。
学校西側の宝来地区に住む男子生徒の母親は「絶対に1人で帰ってこないよう言いつけた」とし、同地区から自転車で登校した女子生徒は「ちょっと怖い」と不安な表情。一方、下士幌地区から車で登校した男子生徒の父親は「この辺はたまにクマが出る。さほど大騒ぎすることでも」と落ち着いた様子だった。
同校は同日、校外での体育授業を控えた。野村勉教頭は「学校に近く、生徒が発見したということもあって驚いている。けががなくて良かった」と話した。
10日は木野東小も集団下校とし、11日朝は下士幌小と昭和小でも保護者の送迎を依頼した。