雪不足 幕別町営2スキー場開けず困った
【幕別】雪不足のため、町営の2スキー場(白銀台、明野ケ丘)がオープンできない状態が続いている。特に南十勝で唯一のゲレンデとなっている忠類地域の「白銀台」は、ここ30年ほどで最も遅い「1月28日オープン」の記録も更新する恐れがあるほか、オープン自体ができるかどうか、関係者は心配を募らせている。
通常の年では2スキー場とも12月20日前後に営業開始することが多い。昨シーズンは白銀台が同月22日、明野ケ丘は同月23日だった。
年間リフト輸送人員で約14万人の利用実績がある白銀台は、一部コースで地面がむき出しになっている状態。同スキー場には、オープン日を問い合わせる電話が多い日で10件以上もあるという。
20年ほど同場を担当する宮町顕司チーフ(60)は「あまりにも雪が少なく、踏み固める基礎作業もできない状態。過去、何度か雪が少ないことはあったが、今回のようにひどい状況は初めて」と語る。
町によると、白銀台は1971年にリフトを設置して以来、過去、1度オープンできなかった年があったとする(年度は不明)が、この30年ほどは97年度の1月28日が最も遅いオープンだった。
予定していたスキー教室の開催中止を余儀なくされているほか、町内外の学校のスキー学習も実施を調整しており、影響が出始めている。来月16日には、管内外から多くの参加者・観覧者が来町する有名イベント「忠類ナウマン全道そり大会」も控えている。
ただ、町は人工降雪機もないことから「少なくとも40センチ以上の大雪が1回は降らないと、安全性の観点からコース造りが難しい」(宮町チーフ)として、ひたすら降雪を待ち望んでいる。(佐藤いづみ)