トマトパウダーを使ったそばが人気 芽室
【芽室】町内のそば店でトマトパウダーを使ったユニークなそばが人気を集めている。メニューを開発したのは町内の老舗そば店「あずまや心菜(ここな)」(町西1条2ノ10)の3代目となる清水正弘代表(40)で、パウダーは町川北の若手農業者グループ「リバーノースユニオン トマトプロジェクト」(西村和也代表)が原料となるトマトの生産から開発までを手掛けたもの。若手同士のコラボレーションによる新感覚のそばが広がりを見せつつある。
トマトパウダーは、これまで自家で生産したトマトをドライトマトやピューレに加工して販路の拡大を目指してきた同グループのメンバーが今年新たに取り組んでいる製品。パウダーにすることでトマトの味が凝縮された調味料感覚で使えるため用途が広がり、流通や保存の面でもメリットがあるという。
同グループの取り組みに賛同する形で心菜は今夏、ナスやトマト、カボチャ、水菜、ごぼうチップなど町内産の野菜を使用し、トマトパウダーを振りかけたサラダ感覚のそば「トマト蕎麦」(900円)の提供を始めた。彩り豊かで、まるで洋風の麺料理のように仕上がったトマト蕎麦は、ヘルシーながら食べ応えがあり、トマトパウダーの酸味が食欲をそそるとあって、女性を中心にたちまち同店の人気商品となった。当初は夏季限定の予定だったが、通年での提供に切り替えた。
冷製の「トマト蕎麦」を味わった客から「冬の季節には温かいトマト蕎麦を食べたい」との要望を受け、清水代表は「夏が『ヘルシー』なら冬は『ガッツリ』と味わえるものを」と、「とろカツカレー蕎麦」(950円、ライス付き1000円)を新たに開発。カレーそばにとんかつを載せ、その上からナガイモのとろろ、さらにその上からトマトパウダーを振りかけている。
トマトパウダーはカレーの風味の中でも味が消えることなく味のアクセントとなっており、客からは好評を得ているという。
トマトパウダーを使った料理が人気を集めていることに同グループは「トマトパウダーをきっかけに芽室産の農産物や加工品を知ってもらいたい」(西村さん)としている。(大谷健人)