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歴代支局長4人―思い出の新得 まちマイ新得編

新得を語り合う高田、道下、武内、植木の各元支局長(左から)。思い出は尽きなかった(本社で)

 新得町のその時々の話題を町内外に発信し続けてきた十勝毎日新聞社新得支局。ここ25年間ほどの支局長経験者のうち4人が集まり、思い出話に花を咲かせた。

支局をサロンに
 武内 着任2年目の1990年に今の支局が完成。事務所が広かったので、サロン的に利用できないかと思い、町の有志に呼び掛けてまちづくりを考える会を立ち上げた。名称を「ミニSLを走らせる会」とし、事務所に集まっては飲み食いしながらざっくばらんに語り合った。メンバーには今の町議会議長の菊地康雄さんもいた。わかふじ寮に発注した木製のオリジナル空き缶ポストを設置して空き缶を回収したり、子供たちを集めて「あきカンまつり」を開いたりした。当時からそば祭りもやりたいと話していた。「夢をかたちに」を合言葉にやっていたが、何だか良からぬことを画策していると見られていたかもしれないなあ(笑)

 道下 空知出身なのでそばといえば幌加内で、新得がそば所と知らなかった。赴任初日にそば屋のはしごをして、おいしい、いい町だという印象があった。JR石勝線開通20周年で「そば祭りをやろう」と声が上がり、その後に勝毎も共催した。そばだけではなく、日本最東端、最北端の地黄(ジオウ)の栽培や、やはり最北端の野沢菜の産地でもある。

 植木 新得は高原の気候で長野に似ているそうだ。

屈足と本町
 武内 必ずしもいい結果ばかりではないが、新得はリゾート、そば焼酎、農道空港など先駆的な取り組みが多い。

 道下 そういう意味で非常に面白い町。屈足と本町の2地域があり、施設などは本町で屈足にはない。でも本町は飲み屋が少なく、屈足は昔の林業とダムの名残でたくさんある。

 植木 手打ちそばは、打ったものを頂いたり、個人のお宅で打ちたてを食べさせてもらったりしたが、どれも本当においしかった。

 道下 各家庭で独自の打ち方でやっている。

 高田 支局に帰ると、たまにそばがぶら下がっていた。あとJR新得駅の立ち食いそばは、駅前の「せきぐち」の手打ち。駅の立ちそばで手打ちは珍しい。

 道下 食べ物で言うと、駅前の玉川商店では三方六の切れ端が売っていた。

 植木 僕は甘い物が大好物。円盤みたいなものが見えて、店に入ったらそれが棚に並んでいた。買った翌日はわが家の朝食だった(笑)。あとトムラウシの山の交流館「とむら」のソフトクリームは味の種類がすごい。

多方面の産業
 植木 僕の任期はちょうど地鶏の動きが出てきた時期。今はチーズ、そば、漬物、焼酎に次いで5番目の特産品になりつつある。頑張ってほしい。

 武内 新得は平地が少なくて耕地面積が少ないから、他の産業に目を付けてきた。

 植木 あとダムもたくさんある。町長がエネルギー自給率750%と言っていたのは印象的だ。

 道下 バブル時代にエネルギーの補助金でいろいろやって、その後、一切やらんとなった。町の財政指数が全道上位になったのは反動で、非常に面白い。

 植木 新得では天気予報は上川を見た方が当たる。帯広から行くと清水市街地を越えると天気が変わる。

 高田 新得山はこんな面白いスキー場が町の近くにあるのがすごい。ずいぶん通った。急傾斜の「オノデラバーン」もある。

 武内 小学生だった上の息子が「きょうはオノデラ滑った」と自慢していたな。

 高田 子供が小さいときに赴任したが、子育て環境は良かった。

 道下 給食もうまい。

 植木 スポーツ環境も充実している。

 道下 この地域は富良野、トマム、サホロとつながるリゾート・トライアングル。ラフティングやスキーが楽しめる魅力あふれる上川郡がある。十勝の枠で言うと少し異色の土地かもしれない。

参加者(新得赴任年と年数、現職)
 武内 哲 1989年から4年、編集デスク

 道下恵次 1999年から4年、その後2年町在住、メディアセンター画像部副部長

 植木康則 2008年から約2年、政経部副部長

 高田敦史 2010年から2年、政経部主任

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