ビートつやつや「恵みの雨」 半年ぶり10ミリ以上
十勝管内は28日から29日にかけてまとまった降雨となり、農業関係者は「恵みの雨」と口をそろえた。
幕別町内の畑作農家村田辰徳さん(37)は、強風と土ぼこりでまき直したばかりのビートに加え、ハクサイの生育などを不安視していた。「猛暑期間は夜間に水をかけ続けたが、焼け石に水だった。きょうの雨はしとしと雨。もう少し長かったら良かったが、それでもありがたい」と話した。
芽室町の農事組合法人代表の土屋貴宏さん(46)は「水不足で牧草の生育は遅れ気味だった。きょうの雨で一気に回復しそう」と述べた。帯広の畑作農家外山隆祥さん(33)は「例年にない猛暑で小麦は収穫までの時期がずれることも予想される。しっかり生育をコントロールしたい」とした。
十勝総合振興局は6月1日時点の農作物生育調査を29日から開始。通常の調査品目に加え、野菜の栽培状況も聞き取る考え。農務課は「葉物は水分不足で枯れたり、固くなるなどの品質劣化を心配していた。この雨で、少しでも改善されれば」と話している。
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低気圧を含む気圧の谷が通過する影響で29日、十勝地方は全域で降雨となった。管内の降り始めから正午までの雨量は、豊頃町大津が19ミリで最も多く、次いで帯広の18・5ミリ、池田、本別町押帯で18ミリだった。
帯広で10ミリ以上の降水量を記録するのは昨年12月7日に23センチの降雪を記録して以来。およそ半年ぶりのまとまった雨となった。夕方以降、天気は回復傾向となる見込み。(佐藤いづみ、川野遼介、大谷健人)