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初の女性指令員 とかち広域消防局 同期の北さんと與佐田さん

「救急隊が到着するまでの処置が大切」と話す與佐田さん

相手の気持ち考えて 
落ち着いて状況把握

 十勝全域からの119番通報を受けるとかち広域消防局の情報指令課に、初の女性指令員が配属された。北亜湖さん(38)と與佐田(よさだ)稚恵子さん(37)。ともに3月まで救急救命士として現場の最前線で活躍してきた2人は、「これまでの経験を生かしたい」と決意を新たにしている。

 「こちらとかち消防。火事ですか。救急ですか」-。同局の指令センターで、2人は穏やかな口調で通報者と向き合う。迅速に消防車や救急車を出動させるため、現場の状況や傷病者の症状を、電話を通じて正確に聞き出す業務だ。通報者が慌てている場合も多いが、同課の山本学課長は「女性が応対することで、通報者の安心感にもつながる」と話す。

 専門学校時代からの同期でもある2人は、2001年に帯広消防署の初の女性職員として就職。救急救命士として15年間勤務し、4月1日付の人事異動で同課に異動となった。

「ゆっくりと話すことを意識している」と北さん

 通報内容で多いのが、けがや急病などの救急案件。高齢化により、全国的にも需要は高まっている。同局の昨年1年間の救急出動件数は1万3917件で、1日に40件ほどの出動がある計算だ。

 指令員は単に出動指令を下すだけはない。「電話をつないだまま、傷病者の詳しい容体を聞き取ったり、周囲の人に応急手当てを指導することもある」と北さん。

 與佐田さんは「救急隊が到着するまでに心肺蘇生法などの処置を行うことで生存率も大きく変わる。私たちの手の代わりになってもらうことが必要」と協力を求める。

 同課に配属されて約1カ月。2人は「相手に口頭で伝えるのが難しい」と打ち明けるも、救急分野に携わってきた経験を生かしながら日々業務に励んでいる。

 北さんは「今は1年生のような新鮮な気持ち。どんな事案が起きても、落ち着いて周りの状況が把握できるようになりたい」、與佐田さんは「まずは十勝の地理をしっかりと覚えて、相手の気持ちを考えながら応対していきたい」と意気込みを語る。(高津祐也)

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