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台風禍 行楽地を直撃 十勝管内 風評被害懸念の声も

台風の影響もあり、観光客の減少が目立った「北の屋台」(24日、新井拓海撮影)

<シルバーウイーク>
売り上げ市内ホテル2割減 観光バス3割減

 今年のシルバーウイークが25日に終了した。連休が“飛び石”だったことに加え、8月の相次ぐ台風による交通機関への影響で、管内の行楽地では人出が減った施設が目立った。特に観光業界では、台風の風評被害を懸念する声が聞かれ、復旧の状況を積極的に情報発信する動きも出ている。

■行楽地(帯広近郊)
 おびひろ動物園(緑ヶ丘)の期間中の来園者数は前年同期比7110人減の1万774人。十勝エコロジーパーク(音更)は17~25日の来場者数が同45%減の1万2532人だった。いずれも管外からの集客減が影響した。十勝エコロジーパーク財団の古川耕一事務局長は「風評の影響を吹き飛ばし元気を発信しようと、フェイスブックのイベント情報量を通常より増やしている」と話す。

■宿泊
 観光地、帯広市内ともに台風による交通網に支障が出た影響で、客足が戻りきっていない。市内中心部のあるホテル経営者は「料金自体も下げており、期間中の売上高は前年同期の15~20%減では」とする。十勝川温泉(音更)も施設によって違いはあるが、期間中「前年の5割減」というところも。ホテルサホロリゾート(新得)は「例年の半分を少し上回る程度で満室日はゼロだった。新得-富良野の道路が通っていないと思っている人も多い」と嘆く。

■観光施設
 サホロリゾート(新得)では、ベアマウンテンが期間中、例年の半数程度。十勝千年の森(清水)も同様に半分ほどにとどまり、「道外の人は土地勘がなく、途中であきらめる人が目立った」。ワイン城(池田)も期間中の来場者が3割減で、「三国峠が止まっているためか、旭川ナンバーが少なかった」(町観光協会)。道の駅なかさつないも「昨年より入り込み客数は落ちたのでは」としている。

■飲食店・ツアー
 市内中心部にある北の屋台でも「数字はまだ出していないが、前年より少ない」(事務局)とする。ある店では「売り上げが前年同期で1割減、観光客が減った印象」とする。

 市内近郊の観光施設などを回る十勝バス(帯広)の日帰り定期観光バスツアーも、前年同期に比べ3割減。同社の長沢敏彦事業本部長は「かつてない減少幅。台風による風評が響いている。10月から新たに始める日帰りバスツアーに期待したい」と話す。

■交通
 JR北海道は特急スーパーおおぞらなどが運休のため、代替バスを運行した。「乗客は多い便で約150人という時もあるが、全般では特急に比べ半数程度」(JR帯広駅)と苦戦している。

 一方、帯広-札幌の都市間バス・ポテトライナー号は期間中、往復で前年比61台増やし、乗客数は31%増になっている。

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