卓球Ｔリーグ、６年ぶり帯広開催 国内最高峰選手のプレーに湧く
ＫＭ東京の吉村選手ら日本トッププレーヤーの試合を観戦に、多くの卓球ファンが詰めかけたＴリーグ帯広大会（金野和彦撮影）
帯広で２０１９年以来、６年ぶり２度目となる卓球のプロリーグ「ノジマＴリーグ」の公式戦が２０日、よつ葉アリーナ十勝で行われた。男子の１試合を実施。６２９人の観客が、国内最高峰の選手たちのプレーを観戦したほか、さまざまな催しも楽しんだ。（北雅貴）
オカモトグループ創業７５周年・十勝卓球協会創立８０周年記念と銘打たれた試合。シングルス３本、ダブルス１本の団体戦で、この日は２年ぶり５度目の優勝を狙う木下マイスター（ＫＭ）東京と、金沢ポートが対戦した。
試合前には、Ｔリーガーと来場者とのゲームや米沢則寿帯広市長の始球式が行われた。田澤昊汰さん（苫小牧泉野小６年）は「プロ選手のサーブが気になって、打ってもらうようにお願いした。すごく回転がかかっていて返せなかった」と目を丸くした。
試合は接戦が多く、高速ラリーや粘り強いレシーブ、コースを突いたドライブの応酬に客席から感嘆の声が上がった。斉藤宗春さん（足寄中１年）は「Ｔリーグ観戦は初めて。間近で見られて、すごい迫力だった」と笑顔で話した。
会場内では多くのブースが設けられ、「卓球部活生応援企画」の抽選会に参加した渡邉晴琉さん（帯広第八中１年）は、Ｔシャツを手に入れた。４月に卓球部に入り本格的に始めたばかり。「卓球で使える服があまりなかったので、うれしい。練習を頑張って、中学３年生までには全道大会に行ける選手になりたい」と目を輝かせた。
Ｔリーグは２１日午後からも、同アリーナで女子の１試合を実施した。
子どもたちに試合の解説をする倉嶋氏（後列中央）＝金野和彦撮影
倉嶋洋介氏が観客席で解説
Ｔリーグは初の試みとして、「スペシャル解説付きシート」を設けた。元日本代表監督で前ＫＭ東京監督でもある倉嶋洋介氏（４９）が観客５人に、試合を見ながらプレーや選手の心理などについて話した。
昨年１２月のＴリーグイベントでファンからの要望があり、今回実験的に実施。倉嶋氏は「面白い取り組み。質問も受けて一方的でなく双方向でコミュニケーションが取れた」と振り返った。
卓球歴３年の青柳光峨さん（幕別札内東中１年）は「プレー展開の予想が的中して驚いた。サーブやレシーブの技術的なことも教えてもらった」とうれしそうだった。Ｔリーグ広報の江島彰弘さんによると、今回の評判などを参考にして本格導入を検討するという。
前夜に帯広の食 ＫＭ東京が勝利
試合は最初のダブルス（複）を奪われたＫＭ東京がシングルス（単）を３本とも取って３－１で勝利した。ＫＭ東京は３連勝の通算４勝３敗で３位に浮上し、金沢は５勝３敗で２位のまま。
単複とも出場したＫＭ東京の吉村和弘選手は「帯広でしっかりと勝てて良かった。子どもたちが卓球のジャージーを着て見に来てくれていた。少しでも憧れてもらえたらうれしい」と話した。前夜にチームの仲間と帯広市内の「ふじもり食堂」で豚丼やカツカレーなどを堪能。「本当においしかった。充実した時間だった」と笑った。
