帯農高が優秀発表賞、十勝向きの飼料作物を研究 日本草地学会宮崎大会
帯広農業高校酪農科学科の生徒9人(当時2年)が取り組んだ、秋まき小麦収穫後の緑肥としていた作物の飼料活用を探った調査が、日本草地学会宮崎大会(3月)の高校生研究発表で優秀発表賞を受賞した。代表の佐伯圭悟さんが発表した。(菊地正人)
同大会は、大学や研究所の研究者との議論や交流を通して、草地や草原、それに関する諸学問や活動に対する理解や関心を深めてもらうことを目的に開催。佐伯さんらのチームを含め、高校生は全国から7組が出場。研究内容やポスターデザイン、プレゼンテーションや質疑応答をもとに、優秀発表が決められた。
十勝では、秋まき小麦の後作に緑肥として「暖地型作物」スーダングラスを夏まきする事例があった。これを飼料として利用する機運が高まっていることから、佐伯さんは「十勝中央部における夏まき暖地型作物の飼料利用適性の検討」と題して調査、発表した。
調査は、佐伯さんを代表に同科2年の8人(志村凛さん、篠原和樹さん、中村嘉希さん、羽藤陽向さん、平山晴大さん、松本沙希さん、簑島渉さん、村上望斗さん)と三浦颯太教諭、道総研畜産試験場関係者らで行った。
昨年、学校の畑に暖地型作物3種を栽培した。エンバク「ヘイオーツ」を比較基準とし、スーダングラス「ヘイスーダン」、パールミレット「ネマレット」を7月下旬から8月中旬にかけ時期を分けて種まき。10月15日に収穫し、時期ごとの収量や、乾燥度合いを見る乾物率、飼料成分を確認した。
その結果「ヘイスーダン」が、「ネマレット」に比べ収穫時の乾物率が高い傾向を示し、十勝中央部での飼料利用に向いていると結論づけた。
佐伯さんは調査結果について、飼料生産の選択肢を広げ、持続可能な酪農経営が展開できる可能性を見いだせたとする。「気候変動が進み、これまでの農業では対応できなくなりつつある。研究結果を柔軟に取り入れられれば」と話した。