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89歳ドラマー樋口さん「命ある限り続けたい」 27日に所属バンドが公演

ドラムをたたく樋口さん。「ドラムは生活の一部」と力を込める

 帯広市内の樋口兼義さん(89)は、演奏歴70年のドラマーだ。所属する市内の「T&Cクラブバンド」(鴇田洋明代表)では最年長メンバーで、現在は27日に行われるバンド公演に向け、汗のにじむ手でバチを力強く握り練習に励む。「ドラムは生活の一部。命ある限り続けたい」と、熱意は色あせない。

 1936年、三重県生まれ。三重、兵庫県で学生時代を過ごした後、56年に陸上自衛隊に入隊し帯広に着任。施設隊に配属され、心身共に「かなわない」と感じていた時、音楽隊の募集要項を目にした。「自分に合うかもしれない」と志願し、無事に合格した。

 57年に音楽隊に入隊。「目立てるから」とドラムを担当楽器に選択したことが、ドラムとの出合いとなった。最初に待っていたのは、ひたすら練習台をたたき続けるだけの日々だった。

 3年後、ようやくドラムをたたかせてもらえるようになったが、演奏会本番で任されるのは、シンバルやマラカスなどの軽楽器。本番でドラムを担当するようになったのは、入隊から5年後のことだった。「待ちに待っていた。涙が出た」と苦労の時間を振り返る。

 89年の退官後も独自にドラムの練習を続け、現在のバンドには2017年に加入した。練習終わりに立ち寄った喫茶店で偶然出会った鴇田代表(74)と会話が弾み、バンドでちょうど不在だったドラムに誘われた。「本当にありがたい誘い。渡りに船だった」と語る。

 「心身共に健康だから続けられている」と満面の笑みを見せる樋口さん。「楽曲を思い切り表現できること、バンドを引っ張れることが楽しい」とドラムの魅力を語る。「今は二つ打ち(1度の振り下ろしで2打の音を鳴らすこと)をしているが、1度の振り下ろしで4打の音を鳴らす技法もマスターしたい」と向上心は健在。ゆくゆくは、大曲や十勝に関する序曲を作曲したいと夢も描いている。

 27日に帯広百年記念館ロビーで行われる公演では、樋口さん作曲の「キサス キサス キサス」も演奏予定。「持てるものを全て発揮したい」と意気込んでいる。(菊地正人)



27日、百年記念館でコンサート
 吹奏楽のT&Cクラブバンド(鴇田洋明代表)の「Spring Lobbyコンサート」が27日午後6時から、帯広百年記念館ロビーで行われる。入場無料。

 同バンドは帯広を拠点に2017年6月に結成。イベントやボランティアでの演奏活動を行っている。当日は13人編成で、「September」「闘牛士のマンボ」「残酷な天使のテーゼ」「地上の星」など、幅広いジャンルの計14曲を予定。鴇田代表は「練習通りの良い演奏ができたら。来場者に楽しんでもらえるよう頑張る」と話している。問い合わせは鴇田代表(090・6693・1205)へ。

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