帯広署管内の死亡事故「危機的」 抑止に向け初の緊急会議
帯広署管内で今冬、死亡交通事故が相次いでいる。今年に入って既に3人が亡くなるなど、4カ月連続で死亡事故が発生。同署は「危機的な状況」とし、17日に同署で関係機関を交え、事故抑止に向けた対策会議を行った。交通事故抑止を目的として、緊急的に開催する会議は初めて。交通安全を強く訴え、歩行者事故を防ぐ対策などを確認した。
帯広署管内の自治体や交通安全団体の関係者ら31人が出席した。今年は1月5日に更別村で、タンクローリーに90代男性がはねられる死亡事故が発生。1月17日には音更町で、歩行者の50代女性が乗用車にはねられて死亡。さらに2月14日には士幌町の国道でバスと乗用車が正面衝突し、乗用車を運転していた40代女性が亡くなった。
同署管内は昨年、道内の警察署別で最多の9人が亡くなっている。最初の死亡事故の発生は4月で、今年はそれを上回るペースとなっている。
会議の冒頭、同署の大山敏弘交通官は、1件目の死亡事故が今年の道内初だったことに加え、2、3件目もそれぞれ道内で最も早い発生だったとし「危機的な状況が続いている。さらなる抑止活動が求められている」と訴えた。
続いて今年の事故の発生概要を、堺玄州交通1課長が説明。今月16日現在で、事故件数は23件減の43件、けが人は27人減の42人となっているとし、「件数やけが人は減っているが、大きな事故につながっている」と話した。
対策として交差点での注意徹底などを指摘。歩行者事故については、動作でドライバーと意思疎通を図る「ハンドサインでストップ運動」の励行を挙げた。
その後関係者との意見交換を実施。帯広市交通安全推進委員連絡協議会の塚田茂男会長は「住民に意識を高めてもらうためにも、帯広署管内で、緊急的に一斉の啓発活動をやってはどうか」と提案した。ほかの関係者からは「現場診断が行われた後、事故の原因がどのようなもので、どういう対策ができたのかを知りたい」との声も出ていた。(中島佑斗)